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還る。

ワインにまつわる私の話

ワインスタイリストって何?

名乗り始めた最初の頃、からかい半分に沢山の人から聞かれたものだった。

ワインの勉強がてらバーで3年修行して独立することになった時、最初に企画したイベントは「ワイン10」という、10本のワインにそれぞれ10のアート作品があり、見にきたお客さんはなんのワインかは知らずに、アートをみながらワインを飲む、そこでアートとワインをセットで感じてもらう。というもの。我ながら面白い企画だったと思います。笑

そのイベントに来てくださったある方が、「あなたを紹介するのに肩書きがあった方がいいわ」ということでつけてくださったのが、「ワインスタイリスト」。

自分でも最初はこっぱずかしい気持ち満載でもじもじしていたが、オーダーされたパーティーやイベント、人に「似合う」ワインをセレクトする。

仕事として名乗るうちにまさに私がやりたかったことは、ワインスタイリストそのものだなと思うようになっていったのは、なんとも不思議なものだなと思った。

3年私が修行したそのワインバーは、常時グラスワインで100種類出しているという珍しい店で、全くワインの知識がなかった私は1からその店でワインについて教わった。

深夜3時に営業が終わってから学ぶワインの授業。

様々な品種を試飲していく、カジュアルな価格帯のもの、グランヴァンと呼ばれるような高級ワイン、そして「自然派ワイン」と呼ばれるワインの世界と出会ったとき、仕事として私が選ぶなら、この色んな意味で癖の強いワインがメインでやりたい。もっとワインを知りたい。勉強したい。

でも私が知りたいと思っていることはいわゆる「ソムリエ」とは違うことなんじゃないか。

どうしても私は知識としてのシャトー名であったり、格付けであったりという、ソムリエになるためには必要不可欠なジャンルに興味を抱けず、「ワインを作る人」にばかり興味がいき、仕事でワイナリーさんに会いに行くという人がいれば、運転手役をかってでて連れて行ってもらうようになっていった。それが「日本ワイン」と出会った始めの一歩になりました。

 

日本ワインとは、日本で栽培した葡萄のみをつかって日本で醸造しているワインのこと。

そうしたワイナリーさんを訪れていくうちに、私は大手のワイナリーさんで作られるしっかりとして安定した味わいのワインよりも、つくっている人の人間性なのか、その土地の個性なのか、どこか「ゆらぎ」のようなものが感じられるワインに強く惹かれていき、それはやはり「自然派ワイン」の世界観であると気づいた。

 

今やすっかり定着した呼び名となった自然派ワインの定義は様々だけど、1番大きな特徴は、つくり手自らの自然に思える作り方をする、ということだと私は理解している。

 

独立してから早くも4年たち、私はいま、自分が選ぶワインのジャンルを「オルタナティヴワイン」と名付けた。

音楽のジャンルでよく聞くオルタナティヴという言葉の意味は「時代の流れにとらわれない普遍的な精神」。

流行でもなく、誰かが決めた決まりでもなく、かといえ自分自身の偏愛でもなく、ただいつかどこかへ流れ着くためのぶれない精神。

そこには良きものを目指して進む時間を感じる。

私が選ぶワインは自然派ワインにも、日本ワインにも、グランヴァンにもとらわれない。

ただ私が感じる何かに忠実だ。

 

そんななか、世界はコロナウィルスによって一変した。

私自身、全ての予定していたイベントは無くなり、手伝っていた飲食店も休業、テイクアウト中心になり、今現在外出自粛が解かれても出勤はできない。

乾杯も、くだらない会話も、下世話な冗談も、熱い討論も、甘い抱擁も姿を消した世界で、私に何ができるのだろう?と考えた。

snsで繋がる飲食店関係者、ワインを作る人、誰もが途方にくれている、それならば今まで直接会って、繋がって仕事をしてきたワインを生業にするプロフェッショナル達から、お客様に向けて、ワインを作る人達をsnsで紹介できないだろうかと考えた。

以前から、「作る人」に比べて「紹介する人」の個性はなかなか注目されないが、実は紹介する人の個性でワインは味わいが全く異なることが面白いと思っていたので、同じフォーマットの中でリレー形式で繋いでいけば偏りなくワイナリーを紹介できるし、紹介の仕方、セレクトの仕方の違いも際立つと思った。

結果総勢45名の豪華な顔ぶれの「日本ワインリレー」となった。

心から感謝です。ありがとうございました。

45人が選んだワインはジャンルも様々で、もちろん自然派ワインではないものもたくさんあったけれども、この時代の中で飲んでほしいと選ばれたワインはまさに、「オルタナティヴワイン」と言えるのじゃないかしら。私はそう思いました。

「ワインの恋文」という連載をさせてもらっているウェブマガジンGOTTA webで「日本ワインリレー」をまとめてもらうことになったのでそちらで是非読んでみてください。

 

この先、どんなふうになっていくのか私自身も世界も全くわからないけれど、ワインに導かれて出会ったり繋がったりしてきた人達や、音楽、テレビの仕事で出会った人達と、また重なり合う時間をつくっていけたらいい。

それが誰かのなにかのちょっとした救いになることを願って仕事していく。

文章なのかな、イベントなのかな、スナック明日香をまたどこかでやりたいとも思ってるし、わからないけど優しい時間を過ごしたいですね。

一緒に、ダンスを踊るみたいに、軽やかに楽しく、無責任でとるにたらない会話をしましょう、ワインと共に、いつかの夜に。

6.1 2020

wine stylist  大野明日香

Asuka Ohno

My story about wine

text - Asuka Ohno

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wine stylist

大野明日香

Asuka Ohno

島根県松江市出身。日本のワイン、ヴァンナチュールを中心に扱うワインスタイリスト。映像、音楽関連の仕事を経て、いくつかのワインバーに勤務後、ワイン スタイリストとして独立。ワイン関連のイベントの主催やプロデュース、ケータリングなどを行う。「日本ワインと手仕事の旅」(光文社)沼津の雑貨店halの店主 後藤由紀子さんとの共著がある。

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書籍『日本ワインと手仕事の旅』

2018年9月、書籍『日本ワインと手仕事の旅』が出版されました。
これは、静岡県沼津市にあるセレクトショップ〈hal〉店主の後藤由紀子さんと
ワインスタイリストの大野明日香さんが日本各地を旅して、
お薦めのワイナリーと手仕事を紹介する本。

著者:後藤由紀子、大野明日香

制作:委員会

判型:A5判ソフト

定価:1400円(税抜)

発行所:光文社

発行:2018年9月20日

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