
DAYS
小郷 あゆみ
Writer / Planner / 点点
STAY SALTY ...... means column
湘南をベースに暮らす、海が好きなフリーランスライター。台湾と日本を行ったり来たり。最近は台湾の友人と「点点 株式会社」を立ち上げ、インバウンドに関する仕事も請け負う。旅・写真・サーフィンが好き。
点点
DAYS / Ayumi Ogo Column
Connect the dots
台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
1.3.2021
DAYS / Ayumi Ogo Column
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
意外と寒い?台北で過ごす冬

私が台北に暮らしていた頃、日本にいる友達からはよく「台湾は冬でも暖かいから良いよね」と言われていました。
でも実は、台北の冬って結構過酷なんです…。
まず辛いのが、天気が悪い日が多いということ。
12月の台北は、ひたすら雨が降ります。
台湾人の友達曰く、2020年の12月は3週間ほど雨の日が続いていたんだとか。
私が暮らしていた頃も、1週間以上雨の日が続くなんてことは普通にありました。
さすがにそれだけ雨が続くと、気持ちまでどんより。
太陽って、大事!と改めて感じさせられました。
さらに、冬でも湿気がすごいんです。
日本の冬は加湿器が欠かせないですが、台北では除湿機が欠かせません。
そのため、体感温度も自然と下がります。
日本と同じ温度でも、台北のほうが圧倒的に寒い。
水分が体にまとわりつくような感じで、しんしんと冷えてきます。
そして、そんな寒さなのに「暖房」がないんです。
一般的に、エアコンと言えば冷暖房が完備されているイメージですが、台北のエアコンには冷房機能しかありません。
暖房器具がないので、屋内でも厚着が必須。
電車や飲食店は、湿気がひどいという理由で、冬でも冷房が入っていることも…。
思い返してもなかなか辛い状況でした。
なので、冬に台北に行く際には、寒さ覚悟で訪れてください(笑)。
ちなみに、台湾のなかでも南部は冬でも晴れているうえに暖かいので、冬に行くのであれば台南や高雄がおすすめです。
12.1.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
おうち時間に見直す「食」

今年はおうちで過ごす時間が増えたことによって、改めて「食」を見直す機会が増えたのでは?
「自分の健康は自分で守る」という考え方から、健康志向も高まり、日常的に食べるものを意識するようになったという声をよく聞く気がします。
そんななかで、最近よく耳にするようになったのが「ヴィーガン(完全菜食主義者)」。
つまり、動物性食品を食べないこと人のことですよね。
実は、そんなヴィーガンの考え方は、台湾では以前から積極的に取り入れられているものなんです。
台湾では「台湾素食」と呼ばれ、もともとは宗教的な理由で食べられていた精進料理のことを指していました。
今では「台湾素食」と書かれた看板を掲げるお店も多く、台湾の小学校では「ミートフリーマンデー」が給食に取り込まれているほど。
2017年には、アメリカ・CNNにて、世界の10大ヴィーガン都市として台北が取り上げられています。
最近では、台北市内のおしゃれなカフェにもヴィーガンなところが増え、マフィンやクッキー、ケーキといったスイーツもバターや牛乳を使わずにつくられているんです。
(しかも、とってもおいしい!)
健康にも、環境にもやさしく、さらにおいしいとなると、お肉を食べる意味って?となりますよね。
健康はもちろん、環境保護にもつながるヴィーガン。
これからの地球にやさしいライフスタイルを考えるためにも、一度自分の「食」を改めて見直してみるのも良いかもしれません。
11.1.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
アフターコロナに考える

なかなか台湾に行けない日々ですが、コロナ禍によってライフスタイルを改めて見つめるきっかけができましたよね。
在宅勤務が当たり前になり、どこでも働ける状況になった今、仕事とプライベート、旅行と居住の境目がなくなり、居住環境も自由に選べる時代になりました。
実際に都心から地方への移住を考える人も増えているんだとか。
そんな状況下において、私も台湾人の友人とひっそり進めてきたプロジェクトがあるんです。
地方に住む選択肢があるのであれば、思い切って「台湾」という選択肢があってもいいのではないか?
旅行よりも、もうちょっと長くその土地を味わってみる「微住」、さらにその土地に暮らす人とのつながりを持つ「ロングステイ」、そして住む楽しさや働く楽しさを感じられる「居住」へ。
地方移住と同じように、台湾移住をもっと気軽に考えられるようにサポートできるサービスを立ち上げようと考えました。
日本人にとって暮らしやすい環境が整っている台湾。
それでいて、異なるカルチャーも感じられる。
新たなライフスタイルを考えるための一歩として、「台湾」という土地はぴったりな気がしています。
ぜひ私たちが考える「台湾移住計画」のページも覗いてみてください。
まずは台湾を感じに行ってみたいという方も大歓迎(笑)。
一日も早く、台湾へ行ける日が来ますように…。
10.3.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
『仕事』に対する考え方の違い

台湾で現地の人と話していると、仕事に対する考え方が日本とはまったく違うことにびっくりすることも。
日本では一つの企業に長く勤めるのが良しとされていますが、台湾ではむしろその逆。
年功序列の給与でなければ、長期雇用も保障されていないので、好待遇の職場を求めてどんどん転職していく人が多いんです。
さらに、サラリーマンとして働く平均年収は、台湾の物価を考えるとかなり低いのが現状。
であれば「自分で起業してしっかり稼ぎたい!」と考える若者が多いのも特徴的です。
実際、20代、30代で起業している人が多く、若いうちから「こうなりたい」というビジョンをしっかり持っている気がします。
それもあってか、台湾人はリスクを考えるというよりも「まずはやってみよう」という精神が強いんです。
日本人だったらまずリスクを考えてしまい、なかなか動けなくなってしまいますが、台湾人にとってはスピード感が大事。
実際に、台湾の街中に並ぶお店も、開店と閉店を繰り返しています。
比較的、誰でも簡単に開店できるので、やってみてダメだったら閉店という考え方なよう。
世間体を気にしている人もいないので、「うまくいけばラッキー」くらいの感覚なのかも。
とは言え、台湾人は終始そんな調子なので、それはちょっと考えればわかったのでは?というようなことも多々起こります(笑)。
大事なのは、きっとそのバランス。
台湾人の思い切りの良さと、日本人の慎重さをうまく取り入れられれば良いビジネスが展開できそうです。
9.4.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
台湾 × アートの関係性

台湾にいると、日本よりもずっとおしゃれな街並みや建造物に出会うことがよくあります。
カフェや雑貨屋さんに並んでいる、何気ない商品のパッケージさえもおしゃれ。
そのセンスの良さに驚きます。
そんな「アート」的な感覚は、実は台湾では日常から培われているよう。
身近なところでアートを感じられる環境が整っているんです。
特に、2002年に台湾政府が掲げた「文創政策」の影響もあり、
台湾全体で文化と創造性を結びつけた産業が推奨されています。
そのため、街の至るところにアートカルチャーを感じられるスポットが。
歴史ある古い建物を活かしたアート空間では、
さまざまなクリエイターたちが手がけた作品に触れることができます。
台北で言えば「華山1914文創園区」、台南には「Blueprint Cultural&Creative Park」という有名なアートスポットがあります。
どちらも日本統治時代に建てられた建造物をリノベーションしてつくられたスポット。
なかにはカフェや雑貨店などが並び、若手クリエイターが気軽に展示できたり、お店を構えたりできる仕組みも整っています。
誰でもクリエイターとして活躍できる環境があることも、アートの発展につながっている気がします。
日本人にとっては馴染みが薄い現代アートも、台湾では意外と身近なところで感じられるんです。
台湾を訪れることがあれば、ぜひ台湾とアートの関係性も感じてみてくださいね。
8.2.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
みんなのエコな意識

7月1日から日本でもレジ袋が有料化されましたね。
でも、実はお隣、台湾では2002年から無料レジ袋を禁止していたんです。
もともと土地と資源が不足していることもあって、「エコ」に対する意識が高い台湾。
アジアでも有数の「エコ大国」と言われており、リサイクル率は世界でもトップクラスなんです。
その点、日本で「エコ」という言葉を頻繁に耳にするようになったのは、ここ数年のこと。
先進国のなかでは、かなり遅れていると言われていますよね。
すでに台湾では若い人たちを中心に、「エシカル」「サステナブル」のカルチャーが根付いています。
マイボトルはもちろん、マイストローを持ち歩くのも最近では当たり前に。
2019年7月からはプラスティック製のストローが提供されることもなくなりました。
タピオカをはじめ、ドリンクスタンドが至るところにある台湾では、ドリンク片手に歩くのは日常。
毎回プラスティックストローを使うのと、マイストローを持ち歩くのでは全然プラスティックの消費量が違うんです。
ということで、おしゃれなストローが続々と登場。
マイストローを洗うブラシまで売られています。
さらに飲食を提供する屋台で使い捨て食器を提供しない音楽フェスが話題になったことも。
参加者たちは、みんなマイ食器を持参したり、会場にあるエコ食器をレンタルしたりしていたんだそう。
ちょっとした「面倒くさい」という気持ちがエコの最大の敵になりますが、お気に入りのマイバッグやマイボトルを見つけて、自分のライフスタイルのなかに取り入れていけば、「日常」として根付いていきそうです。
これからのライフスタイルに合わせて、楽しみながらエコを考えていきたいですね。
7.1.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
民族の違いを超えた先に。

私が好きな映画のひとつ、台湾映画「KANO」。
「1931海の向こうの甲子園」というコピーがついているように、日本統治時代の1931年に、台湾の学校が甲子園に出場したという実話をもとにしたストーリーなんです。
舞台となっているのは、台湾南部の街・嘉義。そんな嘉義にある民族混合の弱小チーム「嘉義農林学校野球部(KANO)」が、日本人監督の指導のもと、甲子園出場を目指していきます。
ずっと観たかったのに、タイミングを逃し続けていたこの映画を観られたのは、偶然にも台湾に向かう飛行機のなかでした。
どんな歴史もそうですが、日本統治時代の台湾にも、光と闇があります。
人それぞれに見方があり、歴史的な認識もそれぞれに違うもの。
一概に「良い」とも「悪い」とも言えないところがあると思います。
ただ、脚本を手がけた魏德聖(ウェイ・ダーション)が「僕が映画で描きたかったのは、台湾と日本の政治的な歴史や背景ではなく、人を動かすときのひたむきな目線なんです」と語るように、この映画では、日本人、台湾人、原住民がお互いの立場や価値観、民族を超えて「甲子園」という、ひとつの夢に向かって突き進む様子が描かれています。
相手のことを民族として差別するのではなく、お互いの価値観を認め合う。
そして、それによって自分のアイデンティを見つめ直すことの大切さを教えてくれる気がします。
どんな時代にもつきまとう人種の問題。
いま、改めてお互いの価値観を認め合うことができたら…。もっと世界は変わっていくのかも。
日本と台湾の関係、そして、自分の国を改めて見つめ直すきっかけをつくってくれる、「KANO」。
野球好きさんはもちろん、そうでなくても楽しめるので、おうち時間のおともに、ぜひ観てみてくださいね。
6.1.2020
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台湾と日本、2つの拠点から感じる日々のこと。
寛容さと、自由さ。

台湾に本社がある会社の仕事を手伝わせてもらったり、
台湾人の友人と一緒に仕事をしたりと、
最近なにかとご縁がある「台湾」──。
どこか懐かしさを感じる街並みに、あたたかい人たち。
なぜか、その魅力にハマると抜け出せない…。
不思議な国なのです(笑)。
そんな台湾では、最近「ピンク」がちょっとしたブームになっているのをご存知ですか?
世界中で広まる新型コロナウイルスの影響を受け、マスクを政府が一括管理する台湾。
そのため、手元に届くマスクの色までは選ぶことができないのですが…、ある男の子が「ピンク色のマスクを着けていたら、からかわれるんじゃないか」と心配していたそうです。
そんな話を耳にした新型コロナウイルス対策本部の男性陣が、記者会見の際に自らピンク色のマスクを着用。
『ピンクもいいですよ』と発信したのです。
そこから「#顏色沒有性別(色に性別は関係ない)」というハッシュタグが広まり、ピンクがブームに。
ロゴまでピンクに変える企業が続々と増えていくという、ちょっとしたムーブメントが起こりました。
伝統的なジェンダーや慣習ではなく、新しい発想を大切にする台湾。
拒むのではなく「受け入れる」という考え方が、そのあたたかい国民性をつくりあげているんだろうな。
台湾の人たちは、新しい発想を受け入れるのがとても上手。
日本をはじめ、さまざまな国に統治されていたという歴史的背景があるからなのか、固定概念に縛られるのではなく、そのときどきで柔軟に対応することが文化として馴染んでいる気がするんです。
この寛容さと、価値観を押しつけない自由さこそが、この国に惹きつけられる最大の理由なのかも。