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還る。

Sun Distance

太陽のディスタンス

京都の伏見の南の端の方、京都市内だけど、いわゆる「そうだ 京都、行こう」でイメージする京都からは結構な距離があるし、駅からも距離があるし、距離なら間に合ってますっていうくらい距離はあるんです。

そういう場所で、2018年の2月15日に絵本専門店「絵本のこたち」をオープンしました。

築75年の古民家を改装し、靴を脱いで上がれる店内は荷物を横に置いて床に座って、ゆっくり絵本を手に取って吟味出来ます。

お客様と話に花が咲いて2〜3時間経つこともしばしば。

絵本を通じて人との距離が縮まる場所になりつつあると実感していました。

徐々に知ってくださる人も増え、3年目に入った矢先にソーシャル・ディスタンスって何? 

距離を無くそうとしてきたのに距離をとれって? 

と思ってたのが既に遠い昔のことのように思います。

2月の京都なんて観光地とは思えないほど人がいない。

だから、すぐに終息するだろうと思ってました。

手指の消毒液を店内に設置したし窓も開ければ換気は問題なし。

そもそも混雑するほど来客がないので密集もなし。

3月に予定している原画展『マルをさがして』(山本久美子作/ひだまり舎)の前にクラスターは絶対に出すまいと、念のため営業を予約制にしました。

やり過ぎたのかな。お客様が激減。

会期中もこれほど少ないのは初めてで、東京からお越しいただいた作家さんにも版元さんにも申し訳なく情けなかった。

それでも、今から思うと、まだ楽観してたんですね。

惨敗の3月の分まで4月は盛り返すぞとイベントを企画したんです。

『関西弁で読む遠野物語』(エクスナレッジ)の著者で民俗学者の畑中章宏さんをお招きし、朗読と解説をしていただくというイベント。

『遠野物語』は言わずと知れた岩手県遠野に伝わるお話を柳田国男が文語体でまとめたものです。

その『遠野物語』がぐーんと向こうからやってきた感じ。

東北から関西にぐーんと。もうこれ、No distance ですよ。

面識もない畑中先生にメールで依頼すると数日後には、ひょっこりご来店くださって、なんて話が早いんでしょう。大阪在住の先生ですからね。京都と大阪も No distance です。

 

3月も中旬過ぎると京都もお花見客が続々。

世界はこんなに麗らかなのに感染者数は増え続け、私の頭の中は「4月11日のイベントどうしよう」でいっぱい。

大規模じゃないからいいよね。

実家から譲ってもらったマスクを参加者に配ろう。

大きな声を出さなくていいようにカラオケ用のマイクも買った。

間隔を空けて座ってもらえるようにスツールも買った。

定員15名の募集は10名で締め切った。

考えられる対策は全部やったのに適切な間隔は2mって、なにそれ、コント? ラジオ体操でもやるわけ? 店内で10人も一遍にラジオ体操は出来ない。

せいぜい3人くらい。無理じゃん。

そこに速報が「緊急事態宣言の発令を検討する準備に入りました」でしたっけ。

なんですか、その「よ〜い、ドンと言ったらスタートしてください」みたいなやつ。

ふざけてるんですか?

 

延期の結論を出したのは、予定の日まで一週間をきってました。

申し込んでいただいた方には大変申し訳なかったです。

イベントは「不要不急」と自ら烙印を押してしまうような気がして悔しくてたまらないし、あらゆる文化的な事を止まっていくことに言いようのない不安も感じてました。

何か形を変えてでも発信はし続けないといけないという思いは畑中先生も同じで、予定の日にインタビューをさせていただくことにしました。そのために「note」にも登録して、インタビュー記事を5回連載で公開しましたので、ぜひ、お読みくださいね。https://note.com/cotachi/n/n6746bb7cac7b

インタビューを終えて、4月13日から5月22日まで実店舗は休業し、記事を発信しつつ、Web Shopに主軸を移しました。

休業する基準に京都府の病床数が満杯になったらというのを自分で決めていたからです。

実店舗を休業することで一番の不安は忘れられること。

世界的な行動変容が起きて皆が外出しなくなる。

通販で買い物をすることが今よりもっと当たり前になる。

在庫数もサービスも太刀打ちできない他の何万軒もある中で埋もれずにやっていけるんだろうか。

再開した時、みんな出掛ける楽しみなんて忘れちゃってるんじゃないかな。

思わず、Twitterで「忘れないで」と呟いたら、たくさんの人が応えてくれました。

常連さんも遠くの方からも励ましのメッセージとともに注文もたくさん入りました。

オンラインショップのある書店リストが出版関係の方から立ち上がったり、これはもう、No distance 距離って何? 

地球から太陽までの距離は1億4960万km。

だけど、光と熱は届く。

掴めないけど感じる。

きっと、これから考えるべきは太陽のディスタンスなんじゃないかな。

Satoko Kumagai

6.1 2020

b ookstore landlord   熊谷聡子

photographs and text - Satoko Kumagai

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b ookstore landlord

熊谷聡子

Satoko Kumagai

京都・伏見の絵本屋さん「絵本のこたち」の店主。絵本を通して、文化の伝承・交流などを通して、想いや感じたことを発信中。

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ブックストア『絵本のこたち』

絵本のこたちは、京都市伏見区の絵本屋です。

2018年2月15日にオープンしました。
営業時間 11:00-19:00定休日 水木曜日

駐車(2台)可。近くに提携駐車場があります。京阪中書島から徒歩約20分。

 

〒612-8241 京都府京都市伏見区横大路下三栖辻堂町76 
TEL & FAX : 075-202-2698
営業時間 11:00〜19:00 / 定休日 水・木曜日

絵本の新刊書店です

新刊の絵本を主に取り扱っています。

長く読み継がれる絵本を中心に揃えていきたいと思います。

ほんの少しですが実用書や写真集、アート本などもおいています。
 

店内は靴を脱いでお上りください

築70年を越す民家を改装して店舗にしました。

畳を敷いてた床は板張りにしました。

小さいお子さまをお連れの方も大きな荷物を汚れを気にせず床において絵本を吟味していただきたいので、靴は脱いでお上がりください。
 

ギャラリーを併設しています

土間の部分はギャラリースペースにしました。

原画展やフェア、ワークショップなどのイベントに活用ています。

過去の原画展はこちらから

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