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ON THE WAY

STAY SALTY ...... travelers on the way

9.5 2021

designer / traveler   Samidare

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⁂旅×

⁂ Journey ×

⁂ 旅×映画

私は小さい頃から病的に人見知りで、そのことがずっとコンプレックスだった。

常にどうすれば人と楽しく話せるのか、人間関係をスムーズに構築できるのか、悩みに悩んで最終的にいきついたものが映画だった気がする。

もともと本が中毒的に好きだったので、そこから派生して誰かと繋がれるものというものが映画。

当時の私には。

 

映画は観れば観るほどハマってしまい、休日にロケ地巡りを友達とするほど。

思えば旅のきっかけはこの映画好きがこうじたのではないかと。

 

日本国内でも、海外にいても、旅の目的はいつだって誰かの作った物語の足跡を巡ること。

 

幸いにも、好きが実って映画業界でお仕事ができるようになり、仕事でも出張と称して日本中を旅できるようになった。

もちろん仕事なので、観光はほとんどできなかったが地元の方達とのんびりお話ししたり、地域の特産物をモリモリ食べることが出来たのはいい思い出。

しかしよく考えるとロケ地って、映画の仕事をしていた私にとっては仕事現場でしかない。

映画に合わせて現場を加工する。

映画に合わせて飾りを置く。

映画に合わせて要らないものを除く。

客観的に見ると山賊じみているなと思う。

その土地にズカズカ踏み込んで、難癖つけて荒らす、みたいな。

それでも地域によっては映画のロケ地として歓迎してくれるところもあるし、手厚く協力してくれる人たちもいる。

本当にありがたい。

 

だからこそ、どのロケ地にもその映画の思い出があって、立場を問わず作り手として関わってくれたたくさんの方の想いが残っている気がして行くとつい嬉しくなってしまう。

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⁂ 旅×言葉

海外旅行に行くと必ず心配するものの一つは、言葉の壁なはず。

面白いことに、日本は大きくて地域によって文化が様々。

国内旅行をしていても地域によっては言葉が分からなかったりもする。

 

私は大阪出身なので、大阪の文化は体に染み付いたもの。

だからこそ、仕事のために東京に何年か住んでいて思ったのは”言葉は自己表現の一つである”ということかもしれない。

 

言語というものは文化ととても密接に絡み合っているものなので、その土地の文化を理解せず言語を習得できることはないと思っている。

どんなに標準語のアクセントを練習して話せるようになったとしても、大阪の文化を持って標準語を話したらニュアンスや細かい意思疎通でつまずいてしまっていた。

 

私は東京に住んで2年ほどこの言葉の壁にとても苦しんだ。

「そんなつもりで言ったわけじゃない!」「なんでそんな言い方するの?」の連続。

そういった経験もあって、留学すると決めた時に「言葉を扱えるようになる」というのは大きな目標として掲げていた。

「言葉を話せるようになる」というのはコツコツ勉強すれば案外簡単に習得できると思う。

日本人に多い試験勉強慣れした英語感覚だと容易に身につけられるものだから。

でも、「扱えるようになる」というハードルは結構高い。

それは百も承知で留学していたが、やはり意識していないと直せない。

ネイティブじゃないからとりあえず英語を話せばいい、と甘えることもできたはず。

でも言葉は自己表現の一つの手段だから、可能な限り自分の想いや感覚はちゃんと伝えたい、と強く感じた。

留学したばかりの頃は、思った以上に英語が扱えないので落ち込んで涙を流す日々。

言いたいことが言えないという状態が、ここまでアイデンティティを失うのかと絶望した日もあるほど。

そうやって留学先で落ち込む日はふらっと地元で有名なカフェや美味しいパン屋さんに行って、地元の陽気な人と会話をしてみる。

私は大阪人なので、街中で急に人に話しかけられたり、話をするのに抵抗はもともとない。

人の中で落ち込んだ気持ちを癒してくれるのはやっぱり人なので、拙いながらも言葉を地元の人と話すうちに「また頑張ろう!」となってしまう。

話してみて、相手の反応がおかしかったら「きっと今間違った言葉を使ったのだな」という作業の繰り返し。

それは大阪弁から標準語に直していく作業と変わらない。

英語を言ってみて、間違って、教えてもらって、直す。

 

シンプルながらもやっぱり人の会話の中で学んでいくのは、私の中で楽しくて確実な方法だったかもしれない。

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いろんな国の”英語”を知りたくて3カ国留学をした際も、国によってアクセントの違う英語を話すことがこんなにも興味深く感じたのは初めてだった。

 

私の旅先での一番幸せな瞬間は「その国の人と、その国の言葉で、その国のお酒を飲みなながら、笑い合うこと」。

たとえ英語が母国語の国でなくとも英語が共通語で使える。

そうすれば、その国の人を捕まえて、その国の言葉を教えてもらえる。

そうやって繋がっていくことが言葉を学んでいくことの楽しさの一つなのだなと。

 

一番の言葉の壁の原因はきっと人と話すことを恐れる気持ちだと感じる。

知らないから怖い。

知らないから臆病になる。

だったら、一度聞いてみてしればいい。

人と話すことで全てが解決する。

話せばその国の文化も自ずと見えてくる。

本当に英語は持っている文化によって扱われ方が違う物だから。

⁂ 旅×歴史

 

旅を面白くする大事なものはなんだろう。

私は知識だと思っている。

海外でも日本でも、共通して言えることだが、行った地域の歴史を知っているのと知らないのとでは旅の充実度は大きく変わる。

 

旅だけに限った話ではないきっと。

美術館や博物館、演劇や舞台に行ってもきっと同じ。

展示されている物の歴史や経緯を知っているとより楽しくなる。

実際に行ってみて、現地の人に歴史や文化を聞く、というのもいい。

私は日本での旅ではよくこの手段を取っていた。

 

岡山に行った時は桃太郎伝説ゆかりの土地を現地の人に聞いて巡ったし、岐阜に行った際は鵜飼の船頭さんに岐阜の歴史について教わり、

岩手に行ったら遠野物語の舞台で昔話を聞かせてもらって、奄美大島へ行った時は現地の染色をしている際に奄美の歴史について聞く、なんてことを。

 

これは言葉と文化がわかるからこその方法。

だから、日本で出来るということは海外でもきっとできる。

私はフランスとイギリスにいた際に現地の友達からおすすめされた土地に行ったが、いつも歴史が分からず十分に楽しめなかったことを今でも後悔している。

今ならある程度の大枠を勉強して、現地でお酒でも飲みながら現地の人にその土地の御伽噺や歴史を聞いてみたいなと心の底から欲している。

ただ気をつけないといけないのは、聞き方によってとても繊細な話題でもあると思う。

それこそある程度は知識を持って挑まないとただの無礼な日本人になりかねない。

常に訪れる国や地域への敬意と配慮は絶対に必要だから。

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⁂ 旅×私

 

映画で行きたい地域を絞って、言葉を使って現地の人とコミュニケーションをはかり、歴史や物語を教えてもらうことで心がホクホクする。

それが私の旅のスタイルであって、中毒性のある旅の原因なのだと認識している。

 

映画にも旅にも共通して言えることだが、私は好きな映画や好きな国に何度も手を出すタイプなので、知らないものにたくさん手を出すタイプではない。

 

何度もお気に入りの国に行って、その国の中で未知の地域に行きその土地の人と話す、というスタイルが私にはしっくりくる。

 

人によって旅のあり方や仕方はそれぞれ。

私は私のこの旅のスタイルをこの先も続けていくつもりなのだろう。

photographs and text - Samidare

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designer / traveler

五月雨

元映画美術部。イギリス映画に憧れてロンドンやアイルランドなどの5都市で英語留学、南仏でフランス語留学経験あり。

国内のみならず海外20カ国以上でロケ地巡りをする。

着物とスコットランドのタータンに目がなく、世界中の民族衣装を調べることが趣味。

デザインの勉強がしたくてフランスに行く機会を目下模索中。

noteは頭の雑念整理用兼旅の記録。

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