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STAY SALTY ...... means column
Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて
~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
from New York / U.S.A.
Atsuko4Jazz
ジャズシンガー
ニューヨーク在住/出身地、長崎
2000年に本場のジャズを学びたくてニューヨークにやって来ました。
あっという間に子供が大人になるくらいの時間が経ちましたが、音楽が溢れているこの街、いつまでも飽きることはありません。
ジャズがあったからこそ、この街で生きてくることができたという感謝を込めて、
大好きな街ニューヨーク、そしてここに住む素敵なニューヨーカー達のお話をお届けできればなと思っています。
9.10.2024
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
私のミュージックメモリー イン ニューヨーク 2024 夏
みなさん、こんにちは、お久しぶりです。
日本はまだまだ暑いようで、皆様お元気でいらっしゃいますか?
今回は趣向を変えて、ニューヨークより今年の夏の音楽イベントをフォトメモリー的に。
八神純子さんのバードランドでの2日間のショウ、ピアノの宮本貴奈さんが一緒に演奏!
貴奈さんは以前ニューヨークに住んでいて、私、9/11の前の日、ドラムのEJストリックランド君に、ブルックリンのアップオーバージャズカフェから帰り道一緒に車で送ってもらったんだよね。
八神さんは、パープルタウンや、水色の雨、昔と同じキーで歌ってらっしゃるってすごい!
ビリージョエルのニューヨークステートオブマインドやスタンダードのバードランドの子守歌という英語の歌も本当に素敵!
そして貴奈さんもママになられていて、さらに華やかな演奏、素晴らしかった!
バードランド終了後、打ち上げの某セレブ宅にて
リンカーンセンターアウトドアというフリーのコンサートで私の先生マリオンカウィングスの娘、エミリーキングちゃんが演奏するということで、マリオン先生も参加。
お母さんのキムカレスティさんとエミリーが歌っていたところでサンダーストームで中止。
びっくり!
Emily and Marion エミリー、人気者になってうれしい!
ヴィレッジのビターエンドへ、ドラムのクラレンスペンさんを見に。
ベースはジェームスジナスさん、ピアノはデイブキコスキさん。
ワールドクラスのミュージシャンはさすがだ!とうなる。
ちなみにこのクラブはレディ・ガガちゃんも売れる前に出ていたところで、私は今回行ったのは初めて。
Bitter End ちなみにカバーチャージ$20。こんなお値段でこの方々の演奏が聞けるってすごい!
夜のブライアンパークのそばを通りがかったら、ベースのかっこいい音が聞こえてきて、誰?と思ったら、マイケル・オラトウージャさん。
おお、久しぶり!
ロンドン生まれ、ラゴス、ナイジェリア育ちのミュージシャン。
カーネギーホールプレゼンツのフリーコンサートでアフリカンミュージックを楽しむ。
いつも音楽的にジャズに偏るからこういう無料のコンサートでいろんな音楽に触れられるのは楽しいね。
マイケルオラトウ―ジャ ウィズ ラゴスペッパースープ
久々に故バリーハリスさんのレガシーを引き継いだワークショップへ。
1曲をその場で覚えてみんなの前で歌うというスタイル。
その後楽器の人のインプロのクラスにも参加。
これも一曲をコードのスケールを練習しながらソロのメロディを作っていくスタイル。
いいフレーズを習ったと帰り道、歌いながらCitibikeというチャリでブルーノートへ。
バリーハリス インスティチュート オブ ジャズ ワークショップ
お友達の旦那様ギターのポールボーレンバックさんが招待してくれたので、久々のブルーノート。
サックスのゲイリーバーツさん御歳83歳、ノンストップで吹きまくり、またワールドクラスのミュージシャンにノックアウト。
素晴らしすぎて、1時間半かけてさっき覚えたフレーズがすべて吹っ飛ぶ。
Blue Note
演奏の後、ピアノの故シダーウオルトンさんの奥様や、ゲイリーバーツさんの奥様が私たちのテーブルに集まってきて、まるでワールドクラスのミュージシャンの奥様会。
やっぱり素敵なミュージシャンの奥様方は本当にみんなかわいらしいなあ。
お歳を召していらっしゃってもチャーミング。
そこになぜか同席して客観的に分析している自分にウケる。
またまたギターのポールさんの招待でジャズアットリンカーンセンターのディジーズクラブへ!
Dizzy's
サックスのジョージコールマンさんは御歳89歳、もうあまり目も見えないそうで、多分耳もあまり聞こえなくなられているのかな?、大声でバンドに指示を出しながらヒリヒリするようなステージ。
とはいえさすがのすばらしい音色でお客様も大喜び。
後でポールさんに聞いたら、楽屋の中でもあんな感じで大声でコード進行が違うと叫んで、若いベーシストは半泣き状態だったみたい。
でもビッグGは素晴らしいと。
ミュージシャンの皆様本当にお疲れ様でした!
チャーリーパーカージャズフェスティバルは2日間、サックスのチャーリーパーカーさんのレガシーをたたえる25年くらい続いている無料の野外コンサート。
ヘレン・サン カルテット
初日のハーレムの日にピアノのヘレン・サンさんが出るので見に行く。
ヘレンは私がニューヨークに来たばかりの頃、アップオーバージャズカフェで出会った素晴らしいピアニスト。
活躍しているのを見るのは嬉しい限り。
カーメン・ランディー クインテット
トリはボーカルの昨年アルバムがグラミーにノミネートされたカーメンランディーさん、素晴らしい。
ピアノの若い人、かっこよかったな。
こうやって新しい才能あふれる若者がニューヨークにどんどん集まってくるんだね。
翌日はイーストビレッジでのチャーリーパーカーフェスティバル。
トリは、ボーカルのカートエリングさん。
今年のトリは2日間ともボーカリストが飾るのは珍しいね。
スーパーブルー フューチャリング カートエリング
カートさんはまず、アイ・リメンバー・クリフォードというトランペットのクリフォードブラウンさんに捧げる美しい曲をアカペラで歌い始めた。
途中、歌詞を先日日本で急逝したギターのラッセルマローンさんに変えて熱唱。
本当に素晴らしかった。
昨日のカーメンランディーさんもカートさんもオリジナルの曲を演奏なさって、スタンダードの曲はほぼやらなかったので、やっぱりボーカルジャズはスタンダードの曲も入れて欲しいと思った次第。
チャーリーパーカーフェスティバルが終わると、ああ、今年も夏が終わったなーとしみじみ思う。
こうして振り返ってみると、今年の夏もたくさんいい音楽を聴きにいくチャンスに恵まれたね!
そして自分的にもけっこう色々なところへ歌いに行きました。
元気にこんな日常を過ごせてああしあわせ!
やっぱりニューヨークは音楽に溢れていてとっても楽しいのです!
ジェイコブ コリア―
翌週、天才マルチプレイヤー、ジェイコブコリア―君のニューヨーク市立図書館でマスタークラスがあると、前日フェイスブックで発見。
残念ながら無料のチケットはソールドアウト。
ウェイトリストに登録したけど連絡がなく、実際に現場へ行ってみた。
会場には入れなかったけど、セキュリティーの親切なおばさまより、下の階の会議室でビデオをつないでいるので見れるかもよと教えてもらい、1つ目の部屋でダメだったので、帰ろうとエレベーターを待っていたところ、またそのおば様が通りかかったので、「教えてくれてありがとうね」と言ったら、「こっちの部屋も試しなさい、彼女に頼みなさい」と言われて、え、他のお部屋でもやってるの?と。
「チケットホルダーのイベントだからダメ」とあっさり言われて、「私ウェイトリストに申し込んでいて」、と説明していたら、運よく中から帰る人が一人出てきたので、しぶしぶ入れてもらえる。
内容はLOGICというソフトを使っての曲作り。
最後に彼のピアノ超絶テクとお客さんをハーモナイズしていく歌を聞けてラッキー!
何事も諦めないってやっぱり大事ね!
7.1.2024
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ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
夢って叶うんだね、フランス、モン・サン・ミシェルで想う
世界遺産のモン・サン・ミシェル、長年いつか実際に行ってみたいと思いつつ、フランスの田舎だし、フランス語だし、電車とバス乗り継いだりちゃんと行けるのかしら?ということもあり、なかなか行けないでいた私、今年やっと決行!
そういえば干潮の時、陸と繋がるような場所って、世界中で聖地としてあがめられているよね。日本の江ノ島もそうだし、バリのタナロット寺院、イギリスのセントマイケルズマウント。私が行ったことがある以外でも世界中にはきっともっとあるんだろうね。
今回はパリのモンパルナスという駅からTGVというフランスの新幹線にのり、レンヌという街でバスに乗換。意外と簡単にモン・サン・ミシェルまでのバスの場所もわかりホッ。
所要時間はTGV1時間半、バスの乗り継ぎ20分、バスで1時間10分。約3時間。
TGVの食堂車のサンドイッチとワイン、とってもおいしい
それにしてもバスに乗っているアジア人のツーリストの多いこと!
添乗員のような人がお客様を連れていて、他国のツアーオペレーターはこんな乗合バスを使って団体ツアーするんだね。びっくり!
今回はモン・サン・ミシェルの対岸で1番近い、ル・ルレ・サンミッシェルというホテルを選ぶ。ちょっとお高いけどお部屋からモン・サン・ミシェルが見えるお部屋。
運良くすぐチェックインできたのでお部屋でついついのんびりしてしまい、
そうだモン・サン・ミシェル修道院の中に入る予約を4時にとってる、行かなきゃ!
ホテルから遠くに見える、絵に描いたようなモン・サン・ミシェルを眺めながらボードウォークを歩いて行くけどなかなか近づいてこないのでもどかしく、途中、ちょっと駆け足。
それでもゆっくり近づいてくる島の姿を見ながら、夢ってさ、叶うんものなんだねと、じわじわ実感。
ボードウォークを歩く
ついに到着、入口の門をくぐるとホタテのかわいいマークが!
ホタテは巡礼者がつけていたものらしい。
地面に埋められていた小道の印
寺院に登る細い道の両側にお土産屋さんが立ち並ぶ。まるで江の島のよう。立ち寄りたい気持ちを抑えてまずはお参り、お参りと、どんどん坂を登っていく。
それにしてもヨーロッパの古い教会は意図的に天に近いところに作られたのか、坂や階段だらけ。結構足腰が丈夫じゃないと行けないなあと痛感。皆さん若いうちですよ。
モン・サン・ミシェルはもともと先住民ケルトの聖地にオベール司教が大天使ミカエルのお告げを受けて聖堂を作ったら一晩で孤島になり献納され、ベネディクト派の修道院、英仏100年戦争の要塞、フランス革命後は反体制派の牢獄、19世紀になってやっと宗教施設に戻ったという変遷の歴史をたどった場所らしい。
大天使ミカエルも空の上から、人間たちよやれやれって思って見守っていただいてただろうね。
空から眺めている大天使ミカエル
1番上の修道院の付属教会は天井が高く、圧巻なのだけど、なにせ古い建物で華美な装飾がないものだから、普段氏神様のようにニューヨークのセントパトリック大聖堂に通っている私には、なんとなくさびれている感が。
付属教会の外観
と思っていたら、マリア様がキリストを抱いている像のところで、ステンドグラスのビデオを撮ると、マリア様の像の周りがなぜかチカチカ光っている。でも肉眼では見えない。なんだこの超常現象!?
きっとこれはマリア様が、ちゃんと私たちここにいますよ、というメッセージを送って下さっていたのかな?びっくり。
マリア様とステンドグラス
ラ・メルヴェイユと呼ばれる美しい回廊。
クロイスターズ
なんとここにもマグダラのマリアのチャペルがあって感動。
マグダラのマリアはフランスで本当にとっても愛されているんだね。
ステンドグラスの巡礼者と平和の象徴のホタテ、そしてマグダラのマリアの香油壺がモチーフということでなんともかわいい。
マグダラのマリアのステンドグラス
寺院の中のあらゆるところで声を響かせて実験をしながらゆっくり見学したのと、ちょっとオフシーズンだったのか、帰りにはお土産屋さんやレストランが閉まっていて、あちゃー、残念!
でも寺院の中のギフトショップでかわいいグラスを購入し、パリで購入したワインをお部屋飲み。至福!
お部屋でワインとモンサンミシェル
翌朝、島までランニング。ランニングアプリによると、距離は2キロ、所要時間は私の足で15分くらい。
それにしても軽くランニングしてモン・サン・ミシェルに到着だなんてなんとも素敵。
そういえばニューヨークを出る前に天気を調べたら、ずっと雨で、そういう季節なのかなと諦めていたけど、この2日間まったく降られなかったのも超ラッキー!
岩場の上にこつこつと石を積み重ねて作り上げた様子がうかがえる
長い時代をかけて、いったいどれだけ多くの人たちが、天に祈りを捧げながら作り上げてきた場所なのか…。
人間の力って本当にすごいね。
もちろん人間をその気にさせ動かした、神様というスーパーパワーも。
誰もいないサンピエール教会の大天使ミカエルさんの前で思うままに鼻歌を歌いちぎり、朝8時のなりやまない鐘の音とデュエットし、さあ帰ろうか。
サンピエール教会の大天使ミカエル
島とバス停までは無料のバスが走っているので、帰りはこれに乗ってみよう。
出発しようとしたところ、日本人らしき若い女の子たちが駆け込んで乗ってきた。
私と同じバス停で彼女たちは先に降り、ドライバーのお姉さんに激しく手を振って、乗せてくれてありがとう!と全身で表現していて、なんともかわいらしい。
一瞬高校生かしら?と思ったけど、ここはフランス、ノルマンディー、こんなとこまで日本の高校生だけで来れないって。
さすがにお姉さんもクスッと笑ってうれしそう。心が通った瞬間を垣間見てほっこり。
ホテルに戻って朝食会場へ。
朝食とモンサンミシェル
もりもり取って、モン・サン・ミシェルを見ながらの贅沢気分な朝食。
何がおいしいかってやっぱりチーズにバゲット、フランス最高!
さあ、長年抱いていた一つの夢が見事に叶ったので、次はどんな夢を描こうかな?
まだまだやりたい事、行きたいところがたくさんあるって、しあわせ!
ありがとうございます。
4.15.2024
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
Pay it forward~マグダラのマリアに導かれ南フランスへ
ニューヨークのメトロポリタン美術館にある、ラ・トゥールのマグダラのマリアの絵の解説を聞いて、なんかこの女性アジア人みたいじゃない?
それ以来、私はマグダラのマリアに興味を持つようになった。
マグダラのマリア ラトゥ―ル
メトロポリタン美術館蔵
マグダラのマリアはイエス・キリストの弟子のひとりで、イエスの復活を発見し皆に知らせたと言われており、所説あれど、私はイエス・キリストが愛した女性だと思っている。
そしてエルサレムを逃れ、小舟で聖母マリアたちとフランス南部のカマルグ湿原のセント・マリーズ・デュラメールという地に到着し、マグダラのマリアはサンボームの山の洞窟で余生を過ごしといわれている。
いつかここに行って見たいとぼんやり思っていたのだけど、今回思い立って、長年行きたかったモン・サン・ミシェルとともに訪れる旅をついに計画、決行。
とはいえフランス語がわからない私にとっては、久々の大冒険で、緊張気味。
フライトはエールフランスにするかどうか迷ったけど、マルセイユアウトということもあり、ロンドン経由のブリティッシュエアウェイズ。
すべてがフランス三昧だったらなんか不安なので、少しでも知ってるところに立ち寄りたいという一心の実は小心者。
マグダラのマリアの洞窟があるサンボームにはドミニコ修道会が経営しているホステルがあり、グーグルトランスレートを使って、フランス語でメールを送り、何とかお部屋の予約をすることができたけど、そこへの公共の交通機関での行き方がわからず、調べまくったら近くの街まではマルセイユからバスでいけるみたい。そこからのタクシーが必要で、その街のネットで探したタクシー会社に何回も連絡しても、うんともすんとも連絡なし。
あきらめてホステルに聞いて3つのタクシー会社の電話番号をもらう。
とはいえ、私はフランス語は話せないので、電話に対するハードルめちゃめちゃ高く、さすがに前日の夜、もう切羽詰まってアルルのホテルから電話しても全会社応答せず。
そんなことってあるんだ、どうしようと内心あせりつつ、Uberがフランスで使われていることは知っていたので、ダメモトでアプリを立ち上げてみる。
するとなんと最寄りの電車の駅オーバーニュから1時間くらいかかるけど、60ユーロくらいで予約できることが判明。ああ、もうこれしかない!神様ありがとう!普段つかわないUber様ありがとう!(私はシェアバイクもあるのでアメリカではLyft派)
そして翌日アルルからオーバーニュという駅までマルセイユ経由で電車のチケットを買おうとしたところ、私が前日グーグルマップで調べていたなぜか列車がなく、結果的に到着が遅くなってしまうことが判明。
急いで予約していたUberをキャンセル、新しい電車の時間に合わせて予約。
すると、デヴィット・デ・ジーザスというお名前のドライバーからコンファームが。
私、マグダラのマリアのところに行くのに、ジーザスがお迎えに来てくれるんだ!
フランスの鉄道の駅ではフリーのWi-Fiが使えるのでオーバーニュの駅でUberアプリを確認でき、ほっ。車ももうすぐ来てくれるみたい、うれしい!
Uberは待ち時間5分までとか書いてあるので、こっちが待つくらいの方が安心。無事ミートできてよかった!
イケメンでサングラスが素敵なドライバーさん、そしてうれしいことに英語で会話ができる!
「それは僕がフランス人じゃないからだよ」ということで、どこの出身なの?と聞いたら、南米のホンジュラスとのこと。
どうしてここに来たの?と聞いたら、アーミーで、除隊後そのままカシスという街に住みついて、個人の送迎会社をやっているということ。へーすごい。
ホンジュラスは何語?ということでスペイン語ということ。スペイン語とフランス語と英語がつかえるトリリンガルってすごいね!
ナビに従って道を進むと、どんどんこれまたはんぱない山道で、私の想像をはるかに超える山奥へ向かっている。
私ほんとこんなところに行こうとしていたのに、前日まで移動手段決まってなかったって、ひー超無謀すぎ。
最悪、近くの街から歩こうかとも内心思ってたけど、無理無理無理!皆さん絶対やめてくださいね。ヒッチハイクもそもそも車自体通らないし。
ジーザスさんも「ここは初めて行くんだよね、ナビ頼り」といいながら運転し、そしてやっとのことで私の宿、ホテリエ・デ・ラ・サンボームへ到着。
In the middle of nowhere感半端ない。
あれ?ホステルの目の前にバス停があった!
ドライバーのジーザスさんに「ありがとう、あなたと道中ずっとお話できて楽しかった!」ということでお別れして、無事チェックイン。
お部屋に入って、ほっとしてお部屋の素敵な絵の写真を撮ろうとしたところ、あれ?ない!ない!ない!携帯が!
お部屋の絵
そう、うっかり携帯を車の中に忘れてしまったみたい。だって車に乗るまでアプリで位置確認してたから。
安心してバックに入れずにシートに置いたみたい。私のバカ、バカ、バカ!
ホステルの人にUberのドライバーに連絡取りたいからパソコン貸してといってもNG。
見かねた受付の女の子が自分の携帯で私の携帯アプリに電話してくれたりしたけど無反応。後で家から試してみるわと言ってくれる。
彼女にも「ドライバーの名前はジーザスだったんだよ…。」と伝える。
OMG、海外で携帯なくす?信じられない!自分にすっかり呆れパニックになりながらも、もうしょうがない、3年以上使ったし替え時よね。
電話番号もさ、必要な人からはかかってくるよ、と潔くあきらめようとしたけど、でも今回たくさん写真を撮ったのが全部なくなってしまうのは悲しい…。
パリにもモン・サン・ミシェルにも、アルルにもセントマリーズドゥラメールにも行ったのになあ…。
あ、そうだ、あさってロンドン経由で帰るのにフライトの24時間前のチェックインできない。
ホステルの中のチャペルでひたすらお祈りして、もうあとは天にまかせることに。
夕食は食堂にて共同のディナー。少し時間に遅れてしまい、スペインからのグループの中に一人入れてもらう。
スペイン語もフランス語もわからない私に、親切に話しかけてくれて、
日本語であいさつとありがとうを教えてと言われる。
養蜂所をやっているスペインからのおじさまで、明日日本からのクライアントと会うので、ありがとうをぜひ日本語で言いたいということ。
素敵よね、この心が。
グラシアスはありがとうという会話をしながら、携帯をなくしたパニックを一瞬忘れる。
世界中、やっぱり挨拶と感謝の言葉とPleaseが基本なんだよねとうれしくなる。
そうだ、さっきもジーザスさんも、Merci(ありがとう)とBonjour(こんにちは)とAu revoir(さようなら)とS'il vous Plait(Please)を覚えて使うといいよと言ってたな。
この言葉って、みんな人間、赤ちゃんの時に最初に教わる言葉じゃない?
やっぱり人間としての基本的に大事なことは世界共通なんだね。
さすがに修道会経営のホステルなので、とても清潔でキレイなんだけど設備はシンプル。
テレビもアラームもシャンプーも石鹸もなし。
パリのホテルで使ったきんもくせいのいい香りの小さいソープをなんとなく持ちかえってきていたのでラッキー。
明日目覚ましなしで起きれるかしら?と思いながら、疲れ果て就寝。
夜中暖房が切れて、とっても寒く目が覚める。まだ3月なのに標高が高いから寒いのね。棚にある毛布を引きずり出し寒さをしのぐ。
さすがに早寝したからか、辺りが明るくなってきてすっと目が覚めてラッキー。
前の日に日の出の時間を調べていて7時20分ということだったので、朝食の時間8時には間に合うように起きれたみたい!よかった!
中庭
そして食堂に下ったところ、昨日の養蜂所のおじさんと入口でばったりあって、ハイ、グッドモーニング!と英語で挨拶を交わしていたら、すっと精悍な素敵な男性が目の前に現れた。
「Hi、車を掃除していたら、携帯があって君が携帯忘れたのに気づいて。慌ててホステルに連絡したけど、すでにアフターアワーで連絡が取れなかったんだ。携帯がなくてさぞ不安だっただろうと思って持ってきたんだ」と。
OMG! OMG! OMG! え、昨日のジーザスさん?(サングラス外したらさらに男前でかっこいいぞ。)
私が困っているだろうと朝一番で持ってきてくれたの?
朝8時にここに来るには、多分彼の住んでいる街からは7時前にはでなきゃいけない。
私に携帯を届ける為にわざわざ来てくれたということ?
なんてやさしいの?
私はOMG!の繰り返し。ジーザスさんが私に携帯を届けてくれた…。
目がぱちくりで半パニックになっている私に携帯を渡して、
「会えてよかった、今日はハイキング楽しんでね!」と彼がかっこよく颯爽と立ち去ろうとして、
「あ、あなたの連絡先、ビジネスカードとかない?」と聞いたら、
「車にあるので持ってくるのでここで待ってて!」と。
駐車場と距離があるのに走って取りにいってくれて、まあどこまでもかっこよくやさしい。
彼のビジネスカードをもらい、ほんとにありがとう、Uberでチップちゃんと払うねと言って別れ、車が見えなくなるまで手を振った。
何てことが起こったんだろう。マグダラのマリアに心から感謝。
そして昨日助けてくれた受付の女の子のところに行くと、連絡ないよとポーズしたので、それがね、さっき届けてくれたのよということで彼女もOMG!と。
何時に来たの?で、え、朝8時に?すごくない?彼はやっぱりジーザスだった?ええ、ジーザスそのものだったよと。
そしてすっかり気分も軽く、マグダラのマリアの洞窟まで片道1時間のトレッキングのところ、修験者のごとく速足で駆け上る。
トレイルの入口
マグダラのマリアって体も強かったんだね、こんなところにさあ、2000年くらい前、人生の最後の30年も住んでいたなんて。
私なんてホテルの中にいながら暖房が切れて、あーさむさむと毛布引っ張り出してくるまってたのに。3月でこれだよ。冬はどんだけ寒いの?
階段
そしてこの山道、今は巡礼の方々が登りやすいように階段や道としてずいぶん整ってきているけど、私以外みんな本気トラッキング装備よ。
昔はどんだけ登り降りするの大変だったか。
絶壁
ぜーぜー息切れしながらも洞窟の教会に到着。
建物の入口にはピエタが。磔から降ろされたイエスを抱きかかえる聖母マリアとマグダラのマリアの像。
よくあるピエタの像はマリアとキリストと二人が多いような気がするんだけど、さすがにここはお母さんマリアとマグダラのマリアと3人。
イエスとマリア達
ここは天然の洞窟ということでとても静かで、お水がしたたる音が響き渡る静粛な空間。
確かにお水があるのはいいかもしれないけど、女性に冷えは大敵。
ほんとマグダラのマリアは強い女性だったのね。
このトレッキング体験を通じて、女性はね、賢くて、やさしくて、そしてやっぱり強くなくっちゃねと教えてくださったような気がする。
マグダラのマリアの像
ここではドミニコ派の修道士の方が朝11時からミサをあげられるということ。1295年からということなので、どれだけマグダラのマリアは愛され続けているんだか。
この地が奇跡の場所で、マグダラのマリアは何百年もたくさんの人に愛され大事にされているという事を実感。
洞窟から外
預けた荷物のピックアップの時間があるので、駆け足でホテリエへ戻る。
次の目的地セントマクシミンへのバスの時間まで約1時間あるのでネットを使い、そうだジーザスさんにチップを払わなきゃ。
今回の私のサービスに対しての最大のチップは49.99ユーロということ。えーそんな制限があるなんて知らんかった!
こんな山道2往復してくれたのに、ちゃんと2回分のお支払いができないと後悔しつつも、もうしょうがない。
その時、心にふと浮かんだのがペイイットフォワードという言葉。
そうだ、今こそ私が次の人に恩送りをする番だ。
私が親切なことをしてもらったこと、当人にお返しできたらもちろんだけど、それ以上に他の人につなぐこと、それを今する時だと。
ジーザスさんにお礼のメールを送るだけでなく、ホステルにおすすめのドライバーということで紹介しよう。これが今の私にできること。
私を助けてくれたホステルの彼女に、「私のこの一件があったから信頼できるドライバーさんです、英語でEメールでコンタクトできるし、私みたいなフランス語が話せなくて、電話が苦手な方が今後もいると思うのでおすすめしてください」と連絡したところ、
「シェアしてくれてありがとう!」と返事が返ってくる。
そしてジーザスさんからは「自分の会社を紹介してくれてありがとう」と、翻訳ソフトを使ったようなとってもシンプルなメールが届き、彼も英語はあまり得意じゃなかったんだね、私とコミュニケートするのに一生懸命話してくれたんだなとほっこり。
それにしても大学時代、第二外国語がフランス語で撃沈した暗い過去がある私だけど、もっともっともっともっと若かったら人生変わったかもね。
今回は長年の夢が叶ったのと同時に、私のダメダメなハプニングを通じて、人生の面白さを痛感。
迷惑をかけないように生きるのも大事だけど、人は助け合って生きている。迷惑をかけたならば、それ以上に自分がしてもらったこと、感謝を次の人に送っていく。それができたらいいんじゃない?
世の中は感謝の循環、私はこのことを絶対忘れない。
本当にありがとうございます!
マルセイユの夕日
PS. マルセイユ、カシスなど南フランスで車が必要な方、お問合せはこちらへどうぞ!英語で対応可能です。
トランスポートBCH
2024年の春分の日前日、あなたの車に携帯を忘れた、はた迷惑な日本女性が、よろしくお伝えください。と言ってたとお伝え下さいませ。
12.10.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
ホリデイシーズン幕開けのニューヨーク
皆様、12月になりましたね、いかがお過ごしですか?
今年は日本は暖冬なのでは?という噂を聞いておりますが、
寒くなったり暑くなったり、アップダウン激しい感じですかね?
どうぞあたたかくして体調万全でお過ごし下さいね。
こちらニューヨークはサンクスギビングという感謝祭の後は、本格的にホリデイシーズンに突入しました。
ツリーが届き準備中のロックフェラーセンターの様子。
今年のツリーはアップステートニューヨークに育った推定樹齢80~85歳のツリーで、クリスマスツリーの点灯式は11月29日でした。
ロックフェラーセンターのクリスマスツリーの点灯式は一度は見てみたいと思って行きましたが、寒空と群衆と中、待ちに待って、パッとついたら以上!みたいな感じなのです。
ロックフェラーセンターを見下ろせるビルの中でのパーティにお呼ばれするのもラッキーで特別感はあるけど、辺りは点灯式用に封鎖されるので、5時前にはビルの中に入る必要があり、好きなように外に出れない。9時にライトがついてショーが終わり、人が捌けるのを待ってからやっと帰る感じなので結構時間がかかるんですよ。
ということで点灯式は実は、お家でぬくぬくとゆっくりテレビで見るのがおすすめなのです。
残念ながら今年は点灯式の日にはニューヨークにいなかったので、そのうち実際に見に行けるのを楽しみにしてます。
ツリーの真向かいのサックスフィフスというデパートのホリデイライトショウは毎年音響も大迫力で楽しみ。今年はクリスチャンディオールとのコラボですって。
ライトついてなくても素敵!
サンクスギビング前日に様子を見に行ったら、あ、もう始まってるラッキー!
見て!ライトがついたらさらにかわいい!
ニューヨークではサンクスギビングやクリスマスの時期に休みを取る人たちも多く、12月はみんな仕事にならないくらいパーティー&ホリデイムードで浮かれちゃうんですよ。
外は寒くても、街がキラキラ光で輝いて楽しい雰囲気に溢れているので、ホリデイシーズンはそれだけでうきうきしますよね。
すべての方々が素敵なホリデイシーズンを過ごされ、ありとあらゆる楽しいことに溢れる2024年となります。
やったー、おめでとうございます!(予祝)
P.S.
天使もなんだかうれしそうで、高らかにラッパを吹いてる感じ!
P.S. 2
今日、ついに点灯したツリーを見てきましたよ!やっぱりゴージャス!
10.15.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
人生の豊かさは移動距離に比例する
10月に入ってニューヨークはすっかり秋モードです。とはいえ秋のニューヨークを語るより、今年は7月と9月、人生初のテキサス州に行かせていただき、すっかりかぶれているうちにテキサス州内のロードトリップをご案内。
テキサス州は以前、メキシコからテキサス共和国として独立していた土地ということで、アメリカ合衆国に併合されても独特の雰囲気があります。One Lone Star(ひとつの星の州)と呼ばれています。
まずはテキサスの空の玄関口ダラスへ。シックスフロアミュージアム、この前でジョンFケネディー大統領が暗殺された場所だそうです。
パイオニアプラザの水牛の像、ロングホーンと呼ばれる野生の水牛たちを集めて、西部開拓に沸く時代、大陸横断鉄道で牛たちを運ぶのにカウボーイたちがこうしてひたすら連れて行ってたなんてすごすぎ!夏は40度を超えてめっちゃ暑かった!
世界一資産価値が高いスポーツチーム、アメリカンフットボールチーム、ダラスカウボーイズの本社横のフォードセンターのフィールドの中央で記念写真
陸路、オースティンへ行く途中の街、Waco(ウェイコ)の空
テキサス州の州都、オースティン、遠くに見えるのは州議事堂
オースティンはライブミュージックの中心地ですって。長年ニューヨークにいる私でもどびっくり、ほんと夜の6th Streetはすごかった!ロックを中心に若者が自己表現をしまくっておりました。(でも残念ながら写真はなし)
ハイウェイ沿いにあるみんな大好き巨大ガソリンスタンド&お土産も買えるサービスエリア、バッキーズの人気マスコットビーバーのバッキー君
今回の訪問の最南端の地、サンアントニオと言えば世界遺産アラモの砦
リバーウォークという、運河はバージと呼ばれる小舟で散策
私のお部屋からみたサンアントニオ
サンアントニオとは、1961年にスペインの伝道師たちが聖アントニーの祝日にたどり着いた川をセントアンソニー(サンアントニオ)と呼んだのが由来だそうです。2回の旅で一番好きだったのはやっぱりサンアントニオ。聖アンソニー様に縁があるのかな?
旅の仲間たちとの最後の晩餐、アペタイザー
テキサスといえばステーキ、ああおいしかった!
実はテキサスは銃が合法の州なので、いったいどんな所だろう?と最初はどきどきでしたが、
私が接したテキサスの方々はみんなナイスで温かく、とっても協力的で、良い方ばかりでした。行ってよかったな~
総移動距離
ニューヨークからダラスまで飛行機で移動1600マイル
ダラスからサンアントニオまで陸路約300マイル
サンアントニオからオースティンまで陸路約80マイル
オースティンからニューヨークまで飛行機で約1800マイル
合計3780マイルx2回=7560マイル=12166キロ
多分市内の移動も入れると12500キロくらいは移動したと思います。
やったー、今回の大移動を体験することで確実に私の人生心が豊かになりました!
ありがとうございます!
PS. ニューヨークへ帰るときこのような素敵な空を見れたのもついてる!
8.5.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
私の思い出のサンフランシスコ
~ ボビーマクファリンのサークルソング10周年
7月の終わりにサンフランシスコでのボビーマクファリンのサークルソングスクールに参加してきました。
今年も全世界から200名近くのシンガーが集まりました。
会場はサンフランシスコのノブヒル地区という坂の上。
ケーブルカーを横目に毎日3つの坂を上り下りし通ったのです。
長崎出身の私もびっくりな、ほんと半端ない坂でびっくり!
グレース大聖堂というとても素敵な教会の中でのワークショップです。
入口を入って右手にエイズで亡くなった方々のメモリアルチャペルにはキースへリング作の美しい祭壇があり、この教会のすべての人を受け入れるという感じが心に染みます。
サークルソングとは、みんなで円になり、即興で繰り返しのモティーフをパート毎につけてコーラスを作っていくインプロビゼーションで、今年ライフタイムアチーブメントアワード(特別功労賞生涯業績賞)というグラミー賞を受賞したシンガーのボビーマクファリン先生が始めたアートフォーム。実はサークルソングはここで生まれたんですって!とはいえ特に宗教的なものでははなく、このすばらしいアコースティックの中での即興で自由に歌いだしたことから生まれたのです。
講師はボビーマクファリン先生をはじめ、リアノン先生、ジュディヴィナー先生、ジョーイブレイク先生、デイヴウォーム先生という長年ボビーと一緒に歌ってきた方々と、最近ボビーがこの地で新しくグループを組んでいるデスタニーウルフ先生、ブライアンダイヤー先生、タミーブラウン先生、そしてサークルソングのワークショップから育った、変拍子マスターでレバノン出身のクリスティンさん、ビートボクサーのポルトガル出身のティアゴ、やわらかいソロが素敵な同じくポルトガルのソフィア、コロンビアのマエストロホワン、子供たちへ音楽を教えているハイチ出身のグーシーという、かつてのニューヨークのサークルソング仲間でこれからのリーダーたちも、それぞれの得意なものを持ち寄ってワークショップを支えてくれたのでした。
写真を探していたら、私がサークルソングに初めて参加したのが2013年ということに今更気づき、なんと今年で10年目だということでびっくり。
以前はニューヨーク郊外のオメガインスティチュートというリトリート施設でのワークショップだったのですが、コロナでボビーが西海岸に引っ越して以来、昨年から西海岸での開催となりました。
初めての時は訳がわからず、何もできなかった私でしたが、ニューヨークに戻って月曜日の夜にマンデーナイトサークルソングという集まりがあることを知り、それから毎週通うようになって、少しずつこのフリーインプロの世界にはまって今に至ります。
コロナの頃はZOOMで集まり、どうしても音のディレイがあるのでいろいろ工夫しながらも、それでもみんなと一緒に歌えるのが幸せでした。
今回は初日からボビーが、歌いたい人~とマイクを差し出すという場面があり、なんの躊躇もなく、前に出てマイクを受け取って、ソロで歌いだす私。
そしてボビーが途中から入ってきてくれて、一緒に歌えて本当に感無量。
最近SMALLSというニューヨークのジャズクラブの夜中のジャムセッションで、マイク取り合い合戦をがんばっていたおかげで、瞬間的に自分にGO!を背中を押すことができたんだろうな。
世の中には無駄な経験ってないんだ…。
私、よくやった、がんばった!と心から自分を褒めたのでした。
最初は何もできなかった、先生たちにも周りの人たちにも話しかけられなかった、世界中から200人以上集まっているシンガーの中で、私はジャズシンガーでインプロもできるんだとアピールしたかったと、いろいろな思いがあったけど、10年目にして思うのは、歌える喜びにあふれることで魂を開放し、歌でいい波動を放ちよい世界を作りたい、歌の楽しさや感謝の気持ちを世界中にまきちらしたい、と。
フリーのインプロビゼーションって、最初どうしたらいいかわからないと思いがちですが、自由に開放してなんでもありなんです。
もちろんさらに音楽的に素敵にするには、いろいろコツがあるので、日々みんなでトライ&エラーしているんですけどね。
とかく人の目を気にしたり、他人と比べたりして自分を卑下がちな日本人に必要な、自分開放遊びではないかしら?と思い、いつか日本に持っていきたいと思いつつなかなかできなかったのですが、今回日本から二人の女性シンガーが参加してくれたので、彼女たちが始めてくれそうです!楽しみ!
なんと今回は卒業セレモニーもありました!
それにしても今の私があるのはマンデーナイトで厳しく鍛えてくれたお姉さま方や、優しく支えてくれた仲間たちのおかげと、感謝の気持ちで一杯になりサンフランシスコを後にしたのでした。
本当にありがとうございます!
PS.グレース大聖堂の近くに歴史的なフェアモントホテルがあります。
ホテルの前には最近お亡くなりになったジャズボーカルの巨匠トニーベネットさんの銅像が。
このホテルのベネチアンルームというバンケットルームで、I Left my heart in San Francisco (思い出のサンフランシスコ)というこの曲を歌って大ヒットしたそうなんです。
トニーベネットさん、生涯、素敵な歌をありがとうございます!
6.10.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
ジャパンパレード イン ニューヨーク
皆様、6月に入りいかがお過ごしでしょうか?
じめじめ天気と湿気でどんよりしがちかもれませんが、どうぞ気分だけでもニューヨークのセントラルパークの緑でさわやかにお過ごしください!
今回は先月ニューヨークで行われたジャパンパレードのご報告をさせていただきますね。
5月12日(土)に行われたジャパンパレード。
うちの近所からセントラルパークウェストを67丁目まで南へ下るパレード、98団体、約2500人が参加したそうです。
例年、ジャパンデイということでセントラルパークで行われていたイベントが、コロナ明けの昨年からジャパンデイパレードとなり今年はジャパンパレードという名前になりました。
昨年はさすがに誰も見に行かなかったらかわいそう!と自分の勝手な日本人としての責任感で見に行ったところ、そんな心配はまったく必要なく、ものすごい人出でびっくりしたのでした。後で聞いたら3万人だったとのこと。
そして今年はなんと5万人の観客だったとニュースになっていました。さらにすごい~!
ニューヨークでは夏の間、週末になると道路を封鎖してのありとあらゆるパレードやストリートフェアが行われます。
実は私はダウンタウンでのダンスパレードにフラのチームで出たことがあり、このマンハッタンのストリートを、沿道のオーディエンスに応援されながら練り歩く気分は格別なんですよ!
今年はパレードのグランドマーシャルとして選ばれた、1992年冬季オリンピックフィギュア女子金メダリストの日系米国人アスリートのクリスティ・山口さんが先頭でスタートしたそうで、ニューヨーク市のアダムス市長や日本のニューヨーク総領事の森大使やNYPDの参加があったそうです。
私はゆっくり家を出てちょっと出遅れたので、ANAさんの山車から。それにしてもセントラルパークの緑がまぶしすぎる!
こちらは鼓舞(COBU)という、以前Stompというオフブロードウェイのパーカッションのショウに出ておられた宮本やこさんが主宰の日本太鼓グループ。やっぱりダントツかっこいい!
なんとキティーちゃんも参加、大人気です!
私は以前アメリカ人の男性から、なんで顔の大きな日本のネコ、あんなに人気があるの?と聞かれたことがあって、え?顔の大きなネコ?何のこと?!キティちゃんのことだと気づくのにしばらく時間がかかって吹き出したことを思い出しました。女子は全世界的に理由もなくキティーちゃんかわいい~ですよね(笑)
それにしてもニューヨークでお神輿が見れるなんてほんとラッキー!
なんとお神輿って英語でポータブルシュライン(携帯神社)と呼ばれているそうで、えーもっと素敵な英語で呼んであげたい!と思うのは私だけ?
こちらは寒川神社さんのお神輿だそうです。皆さん一緒に記念写真を撮っていました。
私は本気でお参りしちゃいました、やっぱりありがたい!
なんとサロンパスさんも!実はこのサロンパスの箱くるくる回ってます、おもろい(笑)ストリートではサンプルを無料で配っていたのでちゃっかりいただきました!
もちろんJALさんも参加なさってます!
企業さんのスポンサーの大きな山車だけでなく、大学の日本語サークルや日本人補習校などいろいろな団体が参加していて、このような素朴なグループもたくさんいるんですよ。こちらはおりがみのチームの大きな折鶴!
花笠音頭、よさこいなどダンスのパフォーマンスやお着物での参加の団体もたくさん。
そして空手、殺陣、なぎなた、剣道などありとあらゆる日本の武道をやっている方々も本当にたくさんおられるのですね。そして日本の方はもちろんですが、ほとんど日本人ではない方々なのです。
日本の伝統芸能や武道は、見た目のかっこいい、楽しいだけでなく、必ず精神性やお作法から入り、練習というより、日本語でいう、お稽古が必要ですよね。
そんな未知の世界を学んでいる日本人以外の方がこんなにたくさんいるなんてと涙が出てきました。
自分が普段はアメリカで日本人ながらジャズとかやってる逆の立場の身なので、日本人ではない方々が、私が知らない日本の舞踊や武道などを極めようと励んでる姿をみると余計に胸が熱くなりました。
パレードに参加なさった方々、パレードを見に集まってきてくださった皆様、私たちの文化を愛してくれて本当にありがとう!
アメリカでは私たち日本人はマイノリティーだと思ってほそぼそと生きていたけど、こんなにたくさんの方々が日本に興味を持ってくださって、好きでいて下さって、応援して下さっていると知ることができてとっても驚きで、本当にしあわせ、うれしい!
おまけ:こういう本気のオーディエンスが普通にいるのも、楽しすぎるでしょ?
4.10.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
アメリカの首都ワシントンDCへお花見にGO!
日本人にとってお花見とは、1年間の豊穣、しあわせを祈って予祝するという文化という話を初めて聞きびっくり。
そうだったのね、なんとご先祖様方は粋なことをずっとやっていらしたのね。
そう思っていた矢先、4月の頭にNEAジャズマスターというジャズに貢献したミュージシャンにマスターとしてたたえる無料のジャズコンサートがワシントンDCであるというメールがぽろっと来ました。
ビッグネームの演奏が聴けるということで即申し込み、チケットゲット。
それもあって、私、アメリカに20年以上いるのに、首都ワシントンDCの桜、実際に見たことがない、よし今年こそ行っちゃおう!と盛大なお花見旅行を思い立ったのです。
ニューヨークからDCまでは今回はアムトラックという列車を利用。
ニューヨーク発早朝、ワシントン発夜でなんと往復で$51という破格のチケット発見、即予約。びっくり!
アムトラックにはアセラという特急もあるのですが、今回は安さ優先で片道3時間半の急行。
運賃は空き状況や時間帯によって変わるんです。
面白いでしょ?(後でお友達も誘おうかと思って調べたら片道$200越え、びっくり)
ホテルは桜のシーズンだからやっぱり高い!でも交通費が格安だったので、ま、いっか!とコンサート会場に近いホテルを即予約、とんとん拍子で旅の準備が整ったのでした。
とはいえ、3月に入って日々忙しすぎて動きたくない、どこにも行きたくないよーというくらいのお疲れモードになってしまい、半分行きたくなくなってしまうくらいだったのですが、ホテルのキャンセルチャージがどっちみちもうかかっちゃうんだよ、ということでえい!と早朝の6時発のアムトラックに飛び乗ったのでした。
コロナ以前の旅行ぶりなので、久々のアムトラックはシートも合皮のようなアップグレードされて、快適。道中ほぼ気絶してワシントンDCへ到着。
な、ん、と雨!しまった出発前に天気予報を見ていなかった!傘持って来てないよ!ていうか、2、3日前に気温とか調べていたけど、雨マークなかったし!
ニューヨークより南なのであったかいんだなとダウンを置いて行く決心をしたのに!
午後には止むって予報に出てるしとまいっか、と外に出たら、どんどん雨足が強くなり、まんまとずぶぬれ。
今回は思いつくがままに動こうと、まずは雨も降ってることだし、駅から徒歩15分のナショナルギャラリーという美術館へ。
銀行家アンドリューメロンさんが駐イギリス大使としてロンドンに滞在中、ナショナルギャラリーにいたく感銘を受け、母国アメリカにも同様の国立美術館を造りたいとの夢を実現させたものなのです。
趣味で美術品収集を続け、当時の大統領フランクリンDルーズベルト大統領に、
自身のコレクションを寄贈し、それを展示する美術館の建築に自分の資金1000万ドルを提供すると申し出たそうです。
1937年に議会にもこのオファーを承認されて、晴れて実現したそうで、それにしても当時のアメリカで成功したお金持ちの方々の規模って桁違いで太っ腹!
作品はもちろん寄贈や基金で購入したもので構成されています。
(戦争で奪ってきたものではありません。すごい!)
そして誰でも入れる美術館ということで、開館当初から入場料は無料、すごい、うれしすぎます!
ナショナルギャラリーの目玉はなんといっても南北アメリカで1点のレオナルドダヴィンチ。
ジネヴラ・デ・ベンチの肖像。
15年以上前に何も知らずにぷらっと見たときにはなんか暗い女の子ね、くらいの印象しか受けなかった恥ずかしい私、今回はせつなさと繊細さが胸にグッときました。
この絵の裏には、美は徳を飾ると書いてあり、ジネヴラさんが当時ひそかに思いを寄せていた、
詩人であり、奥様もお子さまもいらっしゃるフィレンツェ大使からの結婚のプレゼントだったのではということ。
かなり歳の離れた男ヤモメの方に嫁がないといけない16歳の聡明で美しいジネブラさんの内面や、
お二人のプラトニックな関係までもダヴィンチが描きあげたのかもしれません、ああせつない。
ワシントンギャラリーはイタリア以外でルネサンス期の名作も所有する美術館としても有名です。
アンドリューメロンさんが、ソビエト連邦からエルミタージュ美術館の美術品を購入したそうなんです。
テンペラ絵具という卵を使った絵具の発色の美しさったら!15世紀半ばの作品ですよ。
ぜひ実際に見ていただきたい!
フィリッポリッピ 東方三博士の礼拝
印象派のお部屋では、睡蓮で有名なモネの日傘をさす女という奥さんを描いた絵が本当に素敵でうっとり。
最愛の奥さんカミーユさんの美しさと愛情が伝わってきてます。
早くに亡くしてさぞかしつらかったでしょうね。
この後、お嬢さんを題材に同じ構図の絵を描いたそうですが、それ以来、モネは人を題材とした作品を書くのをやめたそうです。
フランスで印象派の絵を学んだ、アメリカ人女性画家メアリーカサットの作品も素敵。
その頃は女性は絵の学校に行ったり、一人で外で絵をかきに行ったりとか許されない時代だったそうで、自然と題材が子供やお母さんとなったということです。
それはそれで女性ならではの視点で描かれた数々のあったかい作品。
交流のあったドガと一緒の部屋に飾ってあって、キュレーターさんの計らいも素敵です。
そして所蔵しているフェルメールの3点、今回ありそうなところを探しても見つからないので、美術館の人にどこにありますか?と聞きに行ったら、
今アムステルダムに貸し出し中でないのよ、とのこと。あちゃー残念!また次回!
実は白状します、私は美術に明るい人ではないんです。
コロナの間にナショナルギャラリーのオンラインツアーに参加して、
絵の背景にあるお話や見どころをガイドさんにたくさん教えていただいたのです。
いつかまたナショナルギャラリーに行きたいという夢が、今回やっと叶いラッキー!
あらためて本物のすばらしさに圧倒されたのでした。
さあ、やっと晴れてきたので、桜が咲いているというタイダルベイズンへ行ってみましょうか!
あ、ここ、ここ!と感動。ワシントンモニュメントや、ジェファーソン記念館と桜、写真で見た見た!
週末ということでたくさんの人手でそれぞれ写真を撮ったりみんな思い思いに楽しんでいて、すっかり楽しい気分になりました。
でも実はもっとすごかったのが翌日なんです。
今度は昨日行っていない反対側に行こうと思い、リンカーンメモリアルの南側でシェアバイク(自転車)を借りて適当に走ったらすっかり道に迷ってしまいました。
もう日当たりもいいからか花が過ぎていて残念でしたが、満開の時にはさぞかし素晴らしかっただろうというくらい続いている桜、桜、桜。
ワシントンのナショナル空港の前まで行ってしまい、どうしよう帰ってこれなくなるかしら、今引き返すべき?とさすがに地図を検索したら、
三角洲のようになっているところをひたすら南下して走っているということが判明、ポトマック川の三角州を一周したのでした。
それにしても、自転車でぐるっと40分くらい走って桜並木がひたすら続いているってすごいでしょ?
自転車をこぎまくっていたので写真がない!ごめんなさい!
ニューヨークの桜もそれはそれは素敵なんですが、
ここは本当に素晴らしかった、さすがのワシントンDCさん!規模に降参!
2023年はこれだけ素敵な桜を見せていただけたので、たっぷり予祝をさせていただきました!
皆さんいい年になること間違いなしです、ありがとうございます!
アメリカ、ワシントンDCのお花見おすすめですよ!
***
おまけ
今回はじめてのことをたくさん経験できました。
①初ケネディーセンター!
全部で7000人収容できる5つのコンサートホールからなる総合文化施設でジャズを堪能。
ここのステージで歌っている自分の姿を妄想しながら演奏を楽しみました。(笑)
今年のNEAジャズマスターを受賞をした、ケニーギャレットさん、レジーナカーターさん、スーミンガスさん、ルイスヘインズさんおめでとうございます!
②本当においしいクラブケーキを食す。
この辺りはカニの身を固めて焼いたり、コロッケのようにしたりするクラブケーキが有名。
ベストクラブケーキ イン DCということで検索して出てきたレストランの中から、
Blue Duck Tavernというパークハイアットワシントンというホテルの中に入っているレストランへ。大満足!
③人生初パンダ体験。
朝むくっと起きて、そうだパンダを見に行こうと思いたち、スミソニアン国立動物園へ。東京の上野動物園にも行ったことないので初めての生パンダ!
ちょっと気温が寒かったからすぐ室内に戻ったパンダちゃん。
ここも入場無料でうれしい!山ひとつが動物園で1日ゆっくり遊べる規模の施設でびっくり。
④素敵なホテルのバーで乾杯
国立郵便局を改装したトランプホテル、オープン当初見に行ってそれはそれは素敵なホテルでした。
とはいえオーナーがあのお方なので民主党支持の州ニューヨークで私の周りの人には素敵だと声を大にしてあまり言えなかったのですが、
今回ウォルドルフアストリアというホテルに変わっていたので、今回ニューヨークに戻る前に立ち寄り、心置きなくバーでワインを堪能。
天使のささやきというロゼワイン、おいしかった!大満足!
2.8.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
ニューヨークよりハッピーバレンタインズデイ!
皆さん、2月いかがお過ごしですか?
ニューヨークは昨年クリスマスの時期は激寒でしたが、今年に入ってからは比較的にマイルドな冬を過ごしています。
そして2月といえばバレンタインですね!
アメリカでは日本と逆で男性が女性にキャンディーやお花を送ったりします。
ここでいうキャンディーはキャンディーやチョコレートも含む甘いお菓子の総称なのですが、最近はニューヨークでもバレンタイン用のチョコレートが増えてきたように思います。
そのためこの時期パートナーがいない在米日本女子は、チョコレートがもらえない日本男子の気持ちが痛いほどわかります。これほんと。
一人の年は、みんないいよな~ちっと内心舌打ちしつつも、地下鉄で仕事帰りに普通のおじさまが花束や大きなぬいぐるみを持っているのを見ると、おじさまNICE!仲睦まじいラブラブカップルを見ると、いいよなあ~来年こそは!と思ったものでした。
たとえ今は一人だとしても、あなたを待っている誰か素敵な人ときっと出会うようになってます! みんな大丈夫ですよ!
ニューヨークの街中でも少しずつバレンタインの準備が始まってきたのでご紹介しますね。
このハートのグラフィティ、街を歩いていて偶然見つけたのですが、HEKTADさんというニューヨークブロンクス出身のアーティストの作品だそうです。
サックスフィフスアベニューという高級デパートのウィンドウディスプレイ、さすがやっぱり洒落てますね!
アメリカ人が大好きマーブルチョコレートのm&m's! LOVEというクリアーケースの中に赤、白、ピンクのマーブルチョコレートがぎっしりはいっています。
CVSというファーマシー、なんとキャンディーの他にこういうぬいぐるみも売っているんですよ!
ダウンタウンのSOHO地区にあるマリーベルというおしゃれな高級チョコレートショップ。さすがに素敵ですね!
そしてこちらは突如タイムズスクエアにあらわれたパブリックアート。
今年のタイムズ・スクエア・アートが主催するコンペ、バレンタイン・ハート・デザイン・コンペティションで最優秀賞に選ばれた、オールモスト・スタジオのLove's h|Edge(ラブズヘッジ)という作品。
日本語でいうと愛の生垣ということです。
実際には人工の生垣で、訪問者に一輪のバラを手渡し、彫刻内に飾ってもらおうというイベントも行われているそうです。2月一杯はこちらで自由に写真を撮れますよ!
さて皆さんはジャズの名曲、マイファニーバレンタインご存じですか?
実は私、この曲歌いたいと思ったことは今までなかったのですが、今年はこの時期にショウケースがあるのでよし歌ってみようと、もっか練習中です。
マイファニーバレンタインのAtsuko4Jazz判超訳詞はこちら!
マイファニーバレンタイン
私のおかしな愛しいあなた
私の愛しいあなた、やさしくって面白いあなた
いつも私を心の底から笑顔にしてくれる
あなたは見た目もわらっちゃうし
写真映えするわけでもないけど、
あなたは私にとってはお気に入りの芸術作品みたいなのよ
あなたの体つきはギリシャの彫刻みたいじゃないし、
口元もきりっとしてないし、
さらに話し出したら、あなた頭大丈夫?と思ったりもするわ
それでも髪の毛一本ですら私のために変えないで、
あなたが私を大事に思ってくれたらなおさらね
ずっとずっと、そのままのあなたでいてほしい
あなたと一緒にいると、私は毎日がバレンタインデーなのよ
一見ひどい歌のようですが、とっても愛が溢れている歌詞だと思います。
そして私のお勧め演奏はこちら!
今回は女性目線で素敵な男性の歌うマイファニーバレンタインを選んでみました。
若かりしころのチェットベイカーさんは切なくてぐっときます。
ビデオではなくとってもシンプルなレコーディングを聞いてみて下さい。
そしてトランぺッターのクリスボッティさんの若い頃、スティングさんが歌のゲストで奥様とクリスさんに歌っている映像、これは本当に素敵でまるで映画のようです。
女性はうっとりすること間違いなしです。
特に今年の2月は愛に溢れる月だと聞いています。
皆様、どうぞ素敵なバレンタインを!
Happy Valentine's Day!
12.15.2022
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
Happy Holidays!
皆さん、Happy Holidays!
ホリデイシーズンいかがお過ごしですか?
11月のサンクスギビングからホリデイシーズンに突入したニューヨーク、
この時期交わされる挨拶がHappy Holidays!です。
ニューヨークには国連があるので、少なくとも196ヶ国の人が住んでいます。
国籍も違えば、民族も違う、宗教も違えば、言葉も習慣も違うのが当たり前なのです。
あまりにも違いすぎるので、違うことが普通として、お互いを尊重しながらうまくやっているのがここニューヨークなのです。
特に12月はユダヤ教のハヌカ、アフリカンアメリカンの方々のお祭りクワンザ、そしてキリスト教の方々のクリスマスなど、お祭りが目白押し。
そのためこの時期に交わされる挨拶は、Happy Holidays!
お互いの宗教や民族、習慣をリスペクトした挨拶、さすがニューヨーカーかっこいい!
そして12月で忘れてはならないのが、ジョンレノンさんの命日、12月8日。
1980年にご自宅のダコタハウスの前でファンの凶弾に倒れたジョンレノンさんのレガシーを後世にも伝えるため、オノヨーコさんとニューヨーク市が作ったストロベリーフィールズ。
この日はここに熱狂的なファンの方々が集まって、ずっと歌ったり祈りを捧げているということで今年初めて行ってきました。
命のはかなさと尊さ、今ここに生かされていることのありがたさを再確認するとともに、世界平和を祈る場所として、普段から世界中からファンだけでなくたくさんの方々が集まっており、
イマジンのモザイクでは交代で記念写真を撮る人が絶えません。
さすがに今日は昼間から混み混みで、みんなでビートルズの曲を次から次へと一緒に歌っています。
特に今年は戦争は起こるのだと世界中が衝撃を受け、平和だと信じていた日本で元首相が凶弾に倒れ私たちはショックを受けました。
地球上のすべての人々が心の平穏を取り戻し、大事な家族と一緒にすごせる世の中となりますように。
ニューヨークではサンクスギビングの後、街中にクリスマスツリーの露店が並びます。
今も生の木がツリーとして愛されていて、横を通ると木々のいい香りがするので、ああいい香りと心が緩みます。
最初はえ?一冬だけのために?そんなかわいそう!と思ったのですが、新年になったらちゃんと回収されて、大きい木は建材になったり、小さい木はチップとなり公園の木々の寒さよけに根元に置かれたり、ちゃんとリサイクルされるようになっているんですよ。
クリスマスツリーとして生まれて育ってきたからには、できるだけたくさんの人達に素敵ね、きれいね、いい匂いねと喜ばれて、クリスマスまで下に置かれたプレゼントを守って、立派にお役目を果たした後、次の場所で別の形となって活躍したり、土に帰っていくということが、命の循環というか、命を大事にすることなのかなと思ったりしています。みんな早くいいお家にもらわれていくんだよ~
この時期のニューヨークといえば、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー。
今年は先日11月30日に点灯式が行われたということで早速見に行ってきました。
さすがにものすごい人出でひーと思いましたが、近くに行けば行くほど、ああ綺麗ね!という言葉しか出てきません。
毎年見に行っても本当に素晴らしく、世界一のツリーだと私は思っています。
ぜひいつかこの時期に実際のツリーを見に来て下さいね。
ちなみにこのツリーは年始までは飾ってありますので慌てなくて大丈夫ですよ。
こちらは1月1日まではホリデイムードでみんな浮かれています。
そして翌日びっくりするくらい普通に世の中が動き始めるんですよ。
ま、11月の後半からずっとホリデイムードで浮かれ続けていたから、新しい年になったし、さあ通常モードに戻るか!という感じでしょう。
最後にわたしから歌のプレゼント、The Christmas Song ~Chestnuts roasting on an open fire をどうぞ!
ジャズシンガーのメルトーメさんが、ロバートウェルズさんと一緒に書いた、ザ・クリスマスソング、もし許されるならば、この曲を1年中歌いたいと思うほど大好きな曲。
真夏の暑い暑い日にロ