

DAYS
STAY SALTY ...... means column
Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて
~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
from New York / U.S.A.

Atsuko4Jazz
ジャズシンガー
ニューヨーク在住/出身地、長崎
2000年に本場のジャズを学びたくてニューヨークにやって来ました。
あっという間に子供が大人になるくらいの時間が経ちましたが、音楽が溢れているこの街、いつまでも飽きることはありません。
ジャズがあったからこそ、この街で生きてくることができたという感謝を込めて、
大好きな街ニューヨーク、そしてここに住む素敵なニューヨーカー達のお話をお届けできればなと思っています。



2.8.2023
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
ニューヨークよりハッピーバレンタインズデイ!

皆さん、2月いかがお過ごしですか?
ニューヨークは昨年クリスマスの時期は激寒でしたが、今年に入ってからは比較的にマイルドな冬を過ごしています。
そして2月といえばバレンタインですね!
アメリカでは日本と逆で男性が女性にキャンディーやお花を送ったりします。
ここでいうキャンディーはキャンディーやチョコレートも含む甘いお菓子の総称なのですが、最近はニューヨークでもバレンタイン用のチョコレートが増えてきたように思います。
そのためこの時期パートナーがいない在米日本女子は、チョコレートがもらえない日本男子の気持ちが痛いほどわかります。これほんと。
一人の年は、みんないいよな~ちっと内心舌打ちしつつも、地下鉄で仕事帰りに普通のおじさまが花束や大きなぬいぐるみを持っているのを見ると、おじさまNICE!仲睦まじいラブラブカップルを見ると、いいよなあ~来年こそは!と思ったものでした。
たとえ今は一人だとしても、あなたを待っている誰か素敵な人ときっと出会うようになってます! みんな大丈夫ですよ!
ニューヨークの街中でも少しずつバレンタインの準備が始まってきたのでご紹介しますね。
このハートのグラフィティ、街を歩いていて偶然見つけたのですが、HEKTADさんというニューヨークブロンクス出身のアーティストの作品だそうです。

サックスフィフスアベニューという高級デパートのウィンドウディスプレイ、さすがやっぱり洒落てますね!

アメリカ人が大好きマーブルチョコレートのm&m's! LOVEというクリアーケースの中に赤、白、ピンクのマーブルチョコレートがぎっしりはいっています。

CVSというファーマシー、なんとキャンディーの他にこういうぬいぐるみも売っているんですよ!

ダウンタウンのSOHO地区にあるマリーベルというおしゃれな高級チョコレートショップ。さすがに素敵ですね!

そしてこちらは突如タイムズスクエアにあらわれたパブリックアート。

今年のタイムズ・スクエア・アートが主催するコンペ、バレンタイン・ハート・デザイン・コンペティションで最優秀賞に選ばれた、オールモスト・スタジオのLove's h|Edge(ラブズヘッジ)という作品。
日本語でいうと愛の生垣ということです。
実際には人工の生垣で、訪問者に一輪のバラを手渡し、彫刻内に飾ってもらおうというイベントも行われているそうです。2月一杯はこちらで自由に写真を撮れますよ!

さて皆さんはジャズの名曲、マイファニーバレンタインご存じですか?
実は私、この曲歌いたいと思ったことは今までなかったのですが、今年はこの時期にショウケースがあるのでよし歌ってみようと、もっか練習中です。
マイファニーバレンタインのAtsuko4Jazz判超訳詞はこちら!
マイファニーバレンタイン
私のおかしな愛しいあなた
私の愛しいあなた、やさしくって面白いあなた
いつも私を心の底から笑顔にしてくれる
あなたは見た目もわらっちゃうし
写真映えするわけでもないけど、
あなたは私にとってはお気に入りの芸術作品みたいなのよ
あなたの体つきはギリシャの彫刻みたいじゃないし、
口元もきりっとしてないし、
さらに話し出したら、あなた頭大丈夫?と思ったりもするわ
それでも髪の毛一本ですら私のために変えないで、
あなたが私を大事に思ってくれたらなおさらね
ずっとずっと、そのままのあなたでいてほしい
あなたと一緒にいると、私は毎日がバレンタインデーなのよ
一見ひどい歌のようですが、とっても愛が溢れている歌詞だと思います。
そして私のお勧め演奏はこちら!
今回は女性目線で素敵な男性の歌うマイファニーバレンタインを選んでみました。
若かりしころのチェットベイカーさんは切なくてぐっときます。
ビデオではなくとってもシンプルなレコーディングを聞いてみて下さい。
そしてトランぺッターのクリスボッティさんの若い頃、スティングさんが歌のゲストで奥様とクリスさんに歌っている映像、これは本当に素敵でまるで映画のようです。
女性はうっとりすること間違いなしです。
特に今年の2月は愛に溢れる月だと聞いています。
皆様、どうぞ素敵なバレンタインを!
Happy Valentine's Day!
12.15.2022
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
Happy Holidays!

皆さん、Happy Holidays!
ホリデイシーズンいかがお過ごしですか?
11月のサンクスギビングからホリデイシーズンに突入したニューヨーク、
この時期交わされる挨拶がHappy Holidays!です。

ニューヨークには国連があるので、少なくとも196ヶ国の人が住んでいます。
国籍も違えば、民族も違う、宗教も違えば、言葉も習慣も違うのが当たり前なのです。
あまりにも違いすぎるので、違うことが普通として、お互いを尊重しながらうまくやっているのがここニューヨークなのです。
特に12月はユダヤ教のハヌカ、アフリカンアメリカンの方々のお祭りクワンザ、そしてキリスト教の方々のクリスマスなど、お祭りが目白押し。
そのためこの時期に交わされる挨拶は、Happy Holidays!
お互いの宗教や民族、習慣をリスペクトした挨拶、さすがニューヨーカーかっこいい!
そして12月で忘れてはならないのが、ジョンレノンさんの命日、12月8日。
1980年にご自宅のダコタハウスの前でファンの凶弾に倒れたジョンレノンさんのレガシーを後世にも伝えるため、オノヨーコさんとニューヨーク市が作ったストロベリーフィールズ。
この日はここに熱狂的なファンの方々が集まって、ずっと歌ったり祈りを捧げているということで今年初めて行ってきました。

命のはかなさと尊さ、今ここに生かされていることのありがたさを再確認するとともに、世界平和を祈る場所として、普段から世界中からファンだけでなくたくさんの方々が集まっており、
イマジンのモザイクでは交代で記念写真を撮る人が絶えません。
さすがに今日は昼間から混み混みで、みんなでビートルズの曲を次から次へと一緒に歌っています。

特に今年は戦争は起こるのだと世界中が衝撃を受け、平和だと信じていた日本で元首相が凶弾に倒れ私たちはショックを受けました。
地球上のすべての人々が心の平穏を取り戻し、大事な家族と一緒にすごせる世の中となりますように。
ニューヨークではサンクスギビングの後、街中にクリスマスツリーの露店が並びます。
今も生の木がツリーとして愛されていて、横を通ると木々のいい香りがするので、ああいい香りと心が緩みます。

最初はえ?一冬だけのために?そんなかわいそう!と思ったのですが、新年になったらちゃんと回収されて、大きい木は建材になったり、小さい木はチップとなり公園の木々の寒さよけに根元に置かれたり、ちゃんとリサイクルされるようになっているんですよ。
クリスマスツリーとして生まれて育ってきたからには、できるだけたくさんの人達に素敵ね、きれいね、いい匂いねと喜ばれて、クリスマスまで下に置かれたプレゼントを守って、立派にお役目を果たした後、次の場所で別の形となって活躍したり、土に帰っていくということが、命の循環というか、命を大事にすることなのかなと思ったりしています。みんな早くいいお家にもらわれていくんだよ~
この時期のニューヨークといえば、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー。
今年は先日11月30日に点灯式が行われたということで早速見に行ってきました。

さすがにものすごい人出でひーと思いましたが、近くに行けば行くほど、ああ綺麗ね!という言葉しか出てきません。
毎年見に行っても本当に素晴らしく、世界一のツリーだと私は思っています。
ぜひいつかこの時期に実際のツリーを見に来て下さいね。
ちなみにこのツリーは年始までは飾ってありますので慌てなくて大丈夫ですよ。
こちらは1月1日まではホリデイムードでみんな浮かれています。
そして翌日びっくりするくらい普通に世の中が動き始めるんですよ。
ま、11月の後半からずっとホリデイムードで浮かれ続けていたから、新しい年になったし、さあ通常モードに戻るか!という感じでしょう。
最後にわたしから歌のプレゼント、The Christmas Song ~Chestnuts roasting on an open fire をどうぞ!
ジャズシンガーのメルトーメさんが、ロバートウェルズさんと一緒に書いた、ザ・クリスマスソング、もし許されるならば、この曲を1年中歌いたいと思うほど大好きな曲。
真夏の暑い暑い日にロバートさんがご自宅で冬の情景を思い浮かべてつづった詩を数行書いていたところにメルさんが登場、二人で少しでも涼しくなるよう実験しようということで、なんと40分くらいで書き上げた曲だそうです。
この名曲がそんな短時間でしかも真夏に生まれたなんてすごいでしょ!
メルトーメさんとジュディガーランドさんのデュエット、古き良きアメリカのクリスマスの雰囲気を味わえます!
ナットキングコールさんの歌も素敵です!
そしておまけで、コロナ中ミュージシャンと一緒に演奏できなかった頃、ひとりで撮った私の演奏です。
皆様、どうぞ素敵はホリデイシーズンと素晴らしい2023年をお迎えください!
ニューヨークから予祝してますね!
Happy Holidays and Happy New Year!
11.7.2022
DAYS / Atsuko4Jazz Column
ミューズを追いかけて ~あるジャズシンガーのニューヨーク通信
オータム・イン・ニューヨーク

はじめまして、ニューヨークのジャズシンガーのAtsukoです。
ミューズとはギリシャ語で音楽や芸術をつかさどる女神たちのこと。
私は2000年にジャズの本場で学びたいという夢だけを持ってニューヨークにやって来ました。
人生山あり谷ありのニューヨーク生活、それでもいまだにこの街に住み続けていられることはスーパーラッキー、とってもついてる、ありがたいなあと思っています。
11月は私の誕生月でもあり、ニューヨークの1年の中でとっても素敵な季節なので気分が上がります。
今年は10月に暖房が入るような寒い時期が一時期あったからか、昨年と比べて紅葉が早いみたいです。
セントラルパークの木々は色づき、秋のキラキラとしたまぶしい光の中で街を歩いていると、
まるで自分が映画の中にいるような気分になります。(これホント!)
私のお勧めのニューヨークの秋を感じさせる映画は『When Harry met Sally(恋人たちの予感)』。

メグライアンとビリークリスタルのラブコメディーでかなり古い作品ですが、音楽担当はジャズシンガー、ピアニストのハリーコニックJr.。
娘時代にこの映画を見てああニューヨークに行きたい!とうっとりしていた私。
ちなみに私の歌のマリオンカウィングス先生はニューオリンズから出てきたばかりでルイアームストロングのようにわざとしゃがれ声で歌っていたハリーに、
自分らしく歌うように教えた先生なのです。それが彼のシンガーとしての活躍やグラミー受賞につながったのではと思います。
このお話はまたいつか別の機会に。
ジャズのスタンダードと呼ばれる曲にAutumn New York(ニューヨークの秋)という曲があります。
この曲はジョージガーシュインというジャズというポピュラーミュージックとクラシックと両方を取り入れてアメリカ音楽の礎を作った方のその愛弟子、
ヴァーノンデュークが、なんと1934年に書いた曲だそうです。
とても今から90年前にかかれたとは思えない、古さをまったく感じさせない曲。
これがスタンダードと呼ばれて長年愛され続ける曲が持つエネルギーなんでしょうね、すごい!
今日はご挨拶代わりにオータムインニューヨークの歌詞の一部をご紹介しますね。

オータムインニューヨーク(ニューヨークの秋)
ニューヨークの秋ってなんて魅力的なのかしら
まるで劇場の初演日のようなスリルがあるわ
きらびやかな人々、きらめく雲たち、
鉄の渓谷のような摩天楼の中できらきら輝いているの
それらを見ると、ああ、ただいまって気分になるわ
ニューヨークの秋って、まるで約束されたような新しい恋や出会いをもたらすわ
とはいえそれはたびたび心の痛みも伴うんだけどね
夢を追ってこの街にきて、まだ何もつかめていない夢人達は
この何ともエキゾチックな街にとまどってため息をつくかもね
今ニューヨークは秋
まあいろんなことあるんだけど、
ああこの街に暮らしてよかったと再び思える季節なの
Atsuko4Jazz流スーパー意訳ですので賛否両論あるかもしれませんが、そこはご容赦を。
長年住んで今年になって初めて、やっとこの歌に向き合って歌いたいという気になったのです。

Autumn in New Yorkを聞いてみたいと思われた方に今の私のお勧めはこの方々、
ビリーホリデイ、エラフィッツジェラルドとダイアナクラールという3人の偉大な歌姫たち。
もし興味があったらチェックしてみてください。
実はビリーの歌はディープすぎてあまり好きではなかったのですが、これは心から素晴らしいと思いました。
エラとルイアームストロングのコンビは間違いのない絶妙なバランス。
ダイアナクラールは本当に深い声で魅力的です。
同じ曲でもそれぞれの個性が際立っているので聞き比べると面白いですよ。
皆さん、どうぞニューヨークの秋の気分を少しでも感じてみてくださいね♪
いつか遊びに来てください!
素敵な11月を!