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DAYS

STAY SALTY ...... means column

Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

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桜田香織
コーディネーター/旅行代理店/ジャーナリスト

東京出身、イタリアはシチリア島在住。

元日本航空(株)国際線乗務員。

仕事柄20代から世界を飛び回り、腰を落ち着けたのが大好きな国、イタリア。

日本の常識どころか、イタリアの常識もまかり通らないシチリア島で、

テレビ、雑誌のコーディネート、旅行業、ジャーナリズムと、何足ものワラジを履く生活。

シチリア料理とその歴史のエキスパート。

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4年振りの帰国

12.15.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

4年振りの帰国

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シチリア在住桜田香織ですが、現在念願の帰国中で、東京の実家で過ごしている。

2019年秋に帰国予定だったが2週間前に転んで肩を骨折し断念、翌年の2月下旬にチケットを変更したら、コロナ。

高齢で持病もある母が私の帰国をひどく怖がり、なかなかお許しが出ないままに年月が過ぎていった。

 

そんな母がもしかしたら手術をしなくてはいけないということになり、兄から「一回帰ってきて」という連絡が入ったのが9月中旬だった。

諸事情があって結局イタリアを立ったのは11月中旬、やっと、やっと・・・という気持ちでいっぱいだった。

 

11月からローマー羽田間の直行便が飛ぶようになり、待った甲斐があったというもの、成田着と比べると格段に楽であった。

月末にとあるプロジェクトのサポートチームに入っていて、シチリアにいる時からミーティングが続いていたが、いろいろと課題も出されていきなり忙しい毎日。

1日おきのミーティングは日付が変わるまで行われ、プラス母の介護・・・。

どうもいつもの帰国のように、「帰ってきた〜」とのんびりとする時間もなく、友人と楽しむ時間もなく、急かされるような毎日。

そうしたら体に様々な異変が出て、まずは足首が腫れて歩くと痛い。

もうくるぶしが見えなくなるくらい腫れてしまい、抗生剤を飲む。

イベントまでは青色吐息でたどり着いた感じだった。

もう精神的にも肉体的にも限界を感じ、こんなに疲れているのは何年振りか?

歳のせいか?

 

その後さらに体調を崩し、数日寝込んで現在やっと復活した状態。

その中での母の介護は結構大変で、東京を満喫することなく1ヶ月が過ぎた。

これから楽しまなくては(笑)。

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しかし、そんな中でも東京の空気を吸うのは良いものだ。

車のクラクションの音はしないし、道は綺麗だし、とにかく「全てが優しい」と感じられる。

実家のシャワーも、シャワーヘッドの穴がイタリアのそれよりも小さいからか、水圧は十分、だけれども優しい。

レストランやお店での対応も優しいし、とても丁寧。

優しさに包まれている感じが、とても心地よい。

何か手違いがあっても人のせいにしないでしっかりと謝ってくれるし、そもそも海外在住が長いと「期待値のハードル」がとても低く設定されているので、こちらも頭にくることがないという事実もある。

 

そんな東京で、今年は年末年始を過ごすことになっている。

母は日に日に衰弱してきているので不安もあるが、私にとっては10年以上振りの日本のお正月が楽しみで仕方ない。

大したことはしないし、かなり質素なお正月になると思うが、お節料理を食べて、お参りへ行って、その空気を味わうだけでエネルギーチャージになるはず。

今はシチリアを横に置いておいて、東京の風に身を任せ、包まれる毎日を心から幸せだと思う。

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シチリア産のモッツァレッラ

11.7.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

シチリア産のモッツァレッラ

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先日とある友人が「チーズ屋さんへ行ったら、シチリア産の本物のモッツァレッラが売られていたの。

買わなかったけれどそんなものが存在するとは知らなかった」と言っていた。

そりゃイタリアにいるのだから、モッツァレッラなんてどこにでも売ってはいるのだが、「本物の」となると少々話が違ってくる。

何故ならば「本物」である為には水牛の乳から作られなくてはいけなく、本家本元はナポリを州都とするカンパーニャ地方。

なので、通常スーパーや小売店で売られているものは、その地方で作られた輸入品というわけ。

勿論普通の牛乳で作られる物もありそれはそれで美味しいけれど、料理に使うならともかく、そのまま食べるのならばやはり水牛さんの勝ちなのだ。

牛乳のならシチリアのあちこちで作られている。

 

しかしシチリア産があると聞くと、最初に浮かぶ疑問は当然「シチリアに水牛っているの?」ということだった。

そしてそれはどこ?

シチリアと一言で言っても四国よりやや大きい島なので、どこの地方の話だろうか。

 

早速検索してみると、何となんと我が家から車で30分くらいの距離ではないか!

そこに水牛がいる?

これは行くしかないでしょう。

 

高速を降りてすぐに脇道へ入ると、そこはもういきなり田舎の風景になり、道路も舗装されていない。

頼りになるGoogleマップを眺めながら進んでいくと、簡単に到着。

駐車スペースに車を入れると、ヤギやらロバやら鶏などが迎えてくれた。

 

チーズ屋さん自体の店構えはとても簡素、お邪魔しまーすとドアを開ける私と相方。

お店の方が出ていらっしゃり、お話を伺うと二代目のオーナーとの事。

二代目ってことは一代目がいらっしゃるわけで、ということはこのチーズ屋さんはいつから存在するのだろうか?

なんとオープンして25年にもなるというからびっくり。

その間モッツァレッラを作り続け、なのにあまり知られていなかったなんて・・・。

本物のモッツァレッラというからには、水牛がいるのですか?などという失礼な質問をした私に対し、「裏に100頭いるから、見に行ってきたら?」と。

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やー本当にいましたよ、水牛さん達が。

柵に近付いてみると、好奇心旺盛なのか向こうから寄ってくる。

つぶらな瞳が可愛い。

暫く見入ってしまった私である。

その近くに川が流れているそうで、時々そこへ連れていくとのこと。

そうよね、水牛だから水が必要よねと、普通に納得。

 

到着したのは10時ごろだったが、朝一で絞った乳から作られた、「本物のモッツァレッラ」を無事購入することができた。

お値段は1Kgあたり14€、今の換算だと約2000円くらいになる、円安・・・。

 

このすぐ近くにパンの美味しい村があるので、そこへ寄り、一軒しかないバールで一休み。

その後パンを購入して帰宅。

早速お昼に食べましょう。

出来立てのモッツァレッラはやはりそのままで、しっかりと味わうのが一番。

まずは一切れ味見をしてから、トマト、玉ねぎ、アンチョビ、オリーブオイルと混ぜてパニーノにした。

シチリアの定番パニーノと言えるかもしれない。

 

家を出てから帰宅するまで、一休みの時間を入れても2時間ちょっと。

こんなに簡単に、手軽に、手頃に楽しめるなんて、何だか徳をしたような気持ちになり、身近にある楽しいことを見つけられるって、最高だと感じた日となった。

そしてこういう日常を送っていくと、人は必ず豊かになれる。

と、少なくとも私はそう思っている。

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イタリア人は時間にルーズ?

10.7.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

イタリア人は時間にルーズ?

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秋の気配

まだまだ日差しは強いけれど秋の気配を感じるパレルモ地方、年々暑さに弱くなってきている私にとってはちょっとホッとする季節の到来。

思えば今年の夏は暑くて長かったなぁ。

いや、気温で言ったら去年の方が暑かった。

私の住んでいるあたりでは47度まで上がった日があったし、島の東側であるシラクーサ付近では52度というとんでもない気温を記録した。

でも去年は夏の始まりが遅かったのだ。

6月に入ってもまだグズグズと涼しい日が続いていた。

それに比べ、今年は5月下旬に既に30度に達し、つい先日までずーっと35度以上の日々。

クーラーのない生活はかなり厳しい。

 

そして今夏を振り返ってみると、本当に人と会わない夏だった。

まぁ長期休暇へ出かける人も多いし、友人との食事会なども夏は減るのだが、それでも本当に出かけなかったわ。

8月下旬に予定されていた「オンラインイベント」に参加する為、その取材やビデオ撮り、そして慣れない編集に時間を取られたのもあるのだが、暑くて身体が動かないというか、億劫であった。歳をとったということかしら?

 

そして今、休暇も終わり、夏中ガラガラだった町にも人が戻ってきて、通常の生活という感じ。

しっかりと渋滞も戻ってきた。そして友人と出かける生活も復活。

 

久し振りに友人と待ち合わせをすると、シチリア人の時間の観念を目の当たりにする。

アバウトなんですよ、とっても。

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イタリア人の時間の観念とは?

大昔にイタリアの中部、フィレンツェに住んでいた頃の話。

「イタリア人は時間にルーズ」ということは色々聞いていたのだが、実際は全く違って驚いた記憶がある。

みんな時間に正確だったのだ。

「へー、イタリア人、巷で言われているのと違うじゃない」と思った。

どこでこんな悪い噂ができてしまったのかしらね?と。

まぁ電車の遅れは今でも有名だけど。

 

ところがその数年後、シチリアに住み始めて発覚した事実に又しても驚いた、その時間のルーズさに。

オペラやコンサートの始まりが10分以上遅れることもある。

イベント開始も「まだ人が集まっていないから」と、大幅に遅れることも普通。

個人で言えばそもそも待ち合わせの時に、「じゃぁそこに6時か6時半ね」と言う。何それ??

私にとって、そして多くの皆さんにとっても、6時は6時、6時半は6時半でしょう?

この約束の仕方、携帯電話が普及していない時からそうだったのだ。

時間厳守が当然の父に育てられたせいか、私は非常に正確。待ち合わせに遅れるということは、まずない。

人を待たせるのは自分のストレスとなってしまう。

だから6時に待ち合わせ場所へ行き、結局全員集合するのは7時過ぎだったりするから非常に疲れる。

大人数の待ち合わせだと、「自分が遅れても皆はお喋りしているから大丈夫でしょう」という、私には思い付かない発想をしている彼ら。

「皆を待たせては申し訳ない」という気持ちにはならないらしい(笑)。

 

全員がもれなくスマホを持っている現在、尚更この「アバウト感」が全面に押し出された感じである。

遅れても連絡が取れる、会えなくても連絡取れる・・・。

確かに携帯は便利だけど、ますます時間にルーズになるシチリア人。

 

と言う事で、友人とのお出かけが増え始める秋になると、毎年彼らの時間のスーズさを思い起こさせられるわけである。

一応彼らの名誉のために言っておくと、きちんと来る人も存在する。

 

私の周りには「国際結婚カップル」も多く、ポーランド人、ベラルーシ人、ウクライナ人、ブルガリア人、と結婚しているシチリア人男性軍、彼らは皆時間に正確。

そして妻である外国人女性軍は「夫の支度が遅く、待ち合わせに遅れるかとハラハラしてお尻を叩いた」と口位を揃えて言うのが面白い。

我が家も同じだからね。

 

郷に入れば・・・と言われるが、それは然り。

だけども私はこれからも時間通りに出向いて、ひたすら「待つ」と言う無駄な時間を過ごすことになるのであろう。

これもシチリアの一部、毎回イライラするなと、自分に言い聞かす私である。

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少し空気の入れ替えを

7.11.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

少し空気の入れ替えを

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毎月シチリアからお届けしているが、今月はちょっと足を伸ばしてフランスから。

丁度1ヶ月くらい前、以前からお付き合いのある「フランスのポルシェクラブ」の方から言いなり連絡が入った。

ル・マンで行われるポルシェのイベントに招待してくださると言う。

しかし、既にイベントまで10日くらいしかなく、即決してエアーチケットとホテルを押さえなくてはいかないわけで、一瞬頭の中が「どうしよう?」状態になってしまった。

相方と3時間くらい考えて、よし、行きましょうとなった。

 

6月のパリはもちろんどこもかしこもホテルは満室、そしてイベントのある時のル・マンは尚更のこと難しい。

数時間パソコンと睨めっこしながら、やっとお部屋を確保。ふー。

 

コロナ以前、私達の最後の旅行もフランスだったっけ。

毎年2月にパリへ行くのだが、2020年は念願のMont-Saint-Michelへも行くことができた。

そして帰宅してすぐにコロナ。

それ以来の旅行だし、それ以来の空港だし飛行機ということである。

ワクワク。

 

パリはいつ訪れても美しいと思うけど、この時期のパリは最高。

夜10時まで明るいし、冬とは太陽の光が全く違う。

夏のヨーロッパはどこも素敵なんですけどね。

そして2年以上シチリアから出なかった私の目には、色々な物が飛び込んできた。

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イタリア人とフランス人の違い

 

午前中の便でパリ到着、丁度ランチタイム頃にホテルにチェックイン。

まずはお昼を食べましょうと出かけて、良さそうなカフェが見つかったのでそこに着席。

そこでまず気が付くのは、フランスのお店のテーブルが狭いこと。

どこもかしこも小さな丸テーブルなのが面白い。

注文をすると、カラフェに入ったお水がタダで提供される、多分水道水?

満席に近いのに、周りの人の声が静か。

シチリア人とは声のトーンが大きく違う、シチリアだったらどこへ行っても「うるさいなぁ」と思うから。

 

周りを見渡していると、上品でエレガントという印象のパリの女性たちが、結構いい加減であることにも目が行く。

テラス席の床の上にも、平気でハンドバッグを置くのである、これイタリア人はしないこと。

布製のバッグでも置いてしまう。

外の席であったからか、タバコを吸う人がかなり多い。

 

別の日の大雨の夜、カフェの軒下のテーブルがうまっていたのにも驚いた。

いくらヒサシがあるとは言え、足元は水浸しなのに、そして風向きによっては体にも雨がかかるのに。

イタリア人ならこういう日は外に座らない。

目の前の道が工事中で、埃まみれになりながらもテラス席に座る人も多い。

 

そしてフランス人は「床に座る」。

美術館でもセーヌ川沿いでも、普通の広場でも地面に座る。

これもイタリア人が絶対にしないこと。

公園の芝生の上で・・・ならもちろんあるけれど、地面には座らない。

 

これらの事は前から知っていた事だけど、改めて目に留まった事柄の一部。

でね、思ったわけですよ、「空気の入れ替えしたな」って。

普段目にしている事と違うことを見たり感じたりするって、それだけで刺激になる。

たとえ既に知っていた事であっても、その存在すら忘れていることが多いから。

 

日々の生活の中で「気付き」というのはとても大切だと思っている。

自分の体調、小さな変化も含めて、気付くか気付かないかの差は大きい。

だけれども同時に「慣れ」というのが存在し、慣れれば慣れるほど努力をしなくなるし感覚が鈍ってくる気がしている。

 

今回のフランスで再び私が認識した事柄は、別に大したことではないのだけど、私の心と頭に新鮮な空気が入った気がしている。

そしてこの空気の入れ替え、日常生活の中でも探して行きたいと思いながら帰路に着いた。

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市場を歩こう

5.5.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

市場を歩こう

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突然だけど、私は市場を歩くのが好きだ。

旅行で違う国、違う街へ行った時も、できるだけ足を運ぶようにしている。

「している」と言うより「したい、行きたい」と思う。

国や土地によってその在り方や表情は様々で、観察していると色々と見えてくる(気がする)。

 

フランスやドイツの市場はで私が知っている所はどこも、通路も広く歩きやすかった。

ベビーバギーを押したお母さんも余裕で歩ける道幅。

ゆっくりと買い物できる感じ。

デンマークの首都、コペンハーゲンで訪れた市場はもっと高級なイメージだった。

売っている物も陳列の仕方も私が思う市場のイメージとは違い、お高いデリカテッセンのような雰囲気だったっけ。

 

さて一方、シチリアの市場はどんな感じか?

私の住んでいるパレルモだけでなく、シチリアの大きな街の市場はかなり混沌としているのが常識。

ベビバギー?

とんでもない!

そんな道幅はありませんよ。

無理矢理なら通れるけれど、あの人混みをバギー押しながら歩くのは至難の業。

そしてそのごった返した狭い道を平気でスクーターが通っていく・・・。

悪気がなくてもバッグが服の一部が引っかかりそうなので、気を抜いてはいけないのがシチリアの市場。

勿論残念だけど悪気のあるスリもいなくはないので、貴重品をしっかり抱えて歩こう。

 

パレルモの市場は我が家から決して近くではないので、そう頻繁にいくわけではない。

だから行く時はいつもウキウキ。

まずは色と騒音と匂いにガツンとやられてしまう。

そう、パレルモの市場はとってもカラフル。

どこの街でも見られるような野菜や果物から、他では見かけない物、一体どうやって食べるのか全く想像のつかない物まで、それらを眺めるだけで脳の活性化につながっている。

だから市場ではボーっとしていられない。

今ではイタリア料理の代表格になっているトマト、でも実際持ち込まれたのは17世紀に入ってからだったって、どれだけの人が知っているのだろうか?

しかも最初は毒性のある植物だと考えられていて、オーナメント用だった、とかね。

それを知っていれば、じゃそれ以前のイタリア料理はどんな物だったのか?と言う疑問が湧いてくる。

ね?

脳の活性化につながるでしょう?

 

かと言って、皆ながみんな歴史好きだと言うわけでもない。

必ずしもお勉強をしてから行かなくてはいけない場所では決してない。

陳列の仕方を見るだけでもその土地の人間の気質が伝わってくると思う。

几帳面なのか、(シチリアのように)大雑把なのか。

その土地の生活が見えてくる。

そろそろマグロの季節到来のシチリアだが、豪快に尻尾から輪切りにしていくなんて、日本の和食人が見たら腰を抜かしてしまうだろう。

解体ショー?

そんな物は存在しないのだ。

ガンガン切っていって、頭なんてほぼ捨ててしまう・・・。

チーズだって同じ。

フランスの市場のチーズ屋さんはまるで宝石を売っているかのような店構え。それらを扱う手付きもシチリアとは違いがある。

もっとずっと丁寧なの。

シチリアのチーズ屋さん、ここでもでかい包丁でガンガンと切って計り売り。

これだけでも文化の違いを感じることができる。

楽しくない?

 

そんなことを考える気にもなれないと言うあなた、大丈夫、楽しみ方は他にもあるから。

近年観光客にお金を落としてもらう為、市場内にやたらと簡易食堂が増えた。

立ち食い屋台的な物から、きちんと座って給仕してもらえる所までスタイルは様々。

ずらっと並んだお料理は、住んでいる私が見ても食べたくなる。

前菜が豊富なシチリア料理、色々頼んでワインをグビッとやれば、悩みも忘れて幸せに包まれること間違いなし。

 

人と食材が市場と言うフライパンの中で混ざり合う、絡み合う。

まるでパスタのようだ。

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これからは自分で考えないと

4.5.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

これからは自分で考えないと

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シチリア在住の桜田香織です。

ロシアとウクライナの戦争が始まって1ヶ月以上が過ぎ、ロシア人の友人もウクライナ人の友人もいる私としては、とても悲しい気持ちになってしまう。

日本からは遠い国でしょうが、ヨーロッパからは近いと言うこともあるから。

何だかいきなり暗い話になってしまいましたね。

連日戦争のニュースが絶えない中、逆にコロナの話題はめっきりと減っている。

シチリアもほぼ通常の生活に戻り、EU諸国やアメリアからの旅行者が増えてきている。

現在はワクチン3回接種済みの「グリーンパスポート」を提示しないとレストランにも美術館にも入れないけれど、4月からはその義務もなくなり、室内でのマスク着用の義務も解除されるという。

そして5月からは完全に通常の生活になるという。

大丈夫かなぁ?と思っている人が多いけれど、そう言いながら既に弾ける気配満々のシチリア人。

そんな中、2年前、2ヶ月以上続いた最初のロックダウンが解除されてすぐのことを思い出した。

 

相方が「パオロから電話があってね」と。

パオロって誰?どのパオロ?」と、私。

同じ名前の人が沢山いるので、ややこしい。

「僕の高校の時の同級生、会った事あるよね?」ある、会ったことある、数年前に40人くらい一緒のランチで一度だけ。

その時に何故かFBで友達申請されて、一応お友達になっている。

コメントもいいねもしないんですけど。

そのパオロさんから、来月最初の週末にパレルモから100Kmちょっと離れた所にあるアグリツーリズモへ行こうというお誘いを受けたという。「君と相談してから返事をすると言ってある」と言うのですが、聞いたら週末2泊3日だと。

しかも10組20人で行くのだと。 

これを聞いた瞬間、「バカじゃない?」と思いましたよ、私は。

 

まだ私達はバールでコーヒーを飲むこともしていない頃で、勿論レストランへも行っていない。

仲の良い友達とも会っていない。

それなのに20人で泊まりがけの週末プチ旅行? 有り得ないでしょう。

規制がなくなったと言ってもマスク着用は義務。

スーパーやお店へ入る時の手袋も義務。

そして1mのソーシャルディスタンスを保つのも義務。

そんな中で旅行? 

それもほぼ全員知らない人達と? 

聞けばそのアグリツーリズモはパオロさんのお友達が経営していて、勿論自粛期間はお客様もいなくてクローズ。

規制緩和と共に再オープンしたので、応援の為に友達を引き連れて泊まりに行きたいのだそう。 

その気持ちは素晴らしいと思うし、助けてあげようというのは良いこと。

でも、どうしても知らない人達と20人で知らない所へ泊まりに行く気にはなれません、今はまだ。 

出かけるならばまずは仲良しと。

会いたい人が何人もいます。

そして外食するならば知っているレストランで。

私はそう考えてそのお誘いはお断り。

政府の規制がなくなったからといって、コロナ自体がなくなったわけではないわけで。

私はずっと必要以上に恐怖を感じたり、神経質になることなく過ごしてきましたが、それはやるべきことをやっていると信じていたから。

でも他人がどう生活しているかは計り知れないんですよね。

今回も段々となぁなぁになってきて、政府の規制がどんどんなくなった今、自分で考えて、自分の行動を決めていかなくてはいけないと思う。

 

皆んな楽しみたいのは同じで、お誘いがあってしかも大勢参加となると、「皆んなやっているのだから良いのだろう、大丈夫だろう」と考える人は多い。

でも、私はそうは考えない。

規制がなくなったと言っても、だからと言って何をやっても良いとは思っていない。

簡単に例えると「未成年はお酒を飲んではいけません」という法律があって、皆んな守る。

だけども20歳になったからといって、好きなだけ飲んで良いわけでもないでしょう? 

酔っ払って恥をかいたり、急性アルコール中毒になって死にそうになったりする程飲むべきではない。

そこは「飲んでも良いけど、自分でコントロールしながら」という事で。

今回の状況も同じ事だと思っている。

規制は無くなりますよ、だからこの先はあなたの頭で考えなさいという事。

2年前のこのお誘いを見てもわかるように、通常生活だ〜と弾ける人が出て来ると思う。

この先どうなって行くのかなぁ?

少なくとも周りが何をしようと、何を言おうと、私は自分の頭で考えて、納得したことしかしないだろうと思ってる。

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春の兆しとシチリア人の陽気さ

3.6.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

春の兆しとシチリア人の陽気さ

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これを書いている2月現在、日本はまだまだ寒い日が続いていると聞いていますが、こちらは一足先に春の兆しが訪れてます。

このまま春になるわけはないけれど、陽も延びてきて気持ちの良い日差しを楽しめる。

そうなると外へ飛び出して行きたがるシチリア人。

非常に単純でわかりやすい人達です。

元来、特に女性は寒がり屋さんが多いシチリアの人だけに、ポカポカした陽気になるとじっとしていられないみたい。

「ランチへ行きましょう、散歩へ行きましょう」的なお誘いが増えてくる。

ランチはもちろん野外、そう、お店の方もお天気が許せばドンドンとテラス席を増やしていく時期なのです。

と言っても、ちょっと風が吹いたりすればいきなり肌寒さを感じるわけで、しっかりとコートを着込んでの食事にもなったりすることも。

私は暖かい室内へ行きたいと思うけれど、彼らに囲まれていては嫌と言うのが難しい、多数決で絶対に負けますから(笑)。

面白いもので単純に太陽の陽を浴びていると人々の顔は明るくなるもので、笑い声も大きくなっていく。

何となくお祭り気分になるのでしょうか?

つい一歩引いて眺めてしまう私なのですが、楽しそうな人の輪に囲まれているとこちらにもその気分が伝染してきます。

そう、これがシチリア人の気質の一つ。

これが逆に出るとどうなるかというと、少々雨模様の日には来るはずだった電気屋さんが来ない確率が上がり(晴れていてもすっぽかされることもあり)、友人と会っても「寒い、天気が悪い」など、会話が愚痴から始まることが多くなる。

誰であってもお天気が良い方が気分はアップするでしょうし、過ごしやすい気温の時には穏やかな気持ちになるのは珍しくないけれど、シチリア人はその辺がとってもはっきりしていて面白い。

これ程天候がすぐに気分に現れる人種って、他にいるのかしら?

感情の起伏の激しい彼らだから、いい意味でも悪い意味でも巻き込まれるのです。

そしてそれは疲れることもあるけれど、俯瞰してみているとまるで舞台を見ているような、映画のワンシーンを観ているような、そんな感覚に陥ることがしょっちゅう。

フムフム、なるほどなぁと、彼らのストレートさに感心してしまう。

 

冬の終わりから春にかけて天候がクルクル変わるので、こういう「天気と気温に左右されるシチリア人」の生の姿を目にする機会が多く、密かに楽しんでいる私。

こう言う楽しさは彼ら本人には全く自覚がないみたいなので、尚更面白い。

愛すべきシチリア人と、再認識する瞬間です。

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私が感じるシチリアの風が、皆さんのところに届きますように

2.5.2022

DAYS /  Kaori Sakurada Column

シチリアの風に包まれて

私が感じるシチリアの風が、皆さんのところに届きますように

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初めまして、イタリアはシチリア島在住の桜田香織です。

シチリアってどこ?

日本の子供が世界地図を、ヨーロッパの地図を習う時、一番早く覚えるのがイタリアだと思っています。

「長靴の形をした国」で知られているので、見分けるのが簡単。

そしてその長靴のつま先でポーンと蹴られた小石が「シチリア島」。

小石と言っても20あるイタリアの州の中で一番大きく、地中海で一番大きな島であり、紀元前から色々な民族の支配下に置かれていたという長い歴史を持っています。

このシチリア島、噂によると神様だとか太陽だとか、誰かとてつもなく大きな存在に口づけをされたと言われ、まぁ簡単に言えばとても祝福されていると言うことでしょうか。

 

有名なギリシャ神話「オデッセイ」が故郷へ帰るまでの10年間さまよったのもシチリア島周辺だと言われているのを、ご存知でしょうか?

そう考えると、とてつもない大昔からギリシャの神々にも目をかけられていたと言うことなのかしら?と、思ってしまいます。

実際ギリシャ神話にはシチリア島が舞台になっている場所が多々ありますし、伝承されています。

島の一部はギリシャの植民地であったこともあり、それも理由の一つなのでしょう。

 

フェニキア、ギリシャ、古代ローマ、ビザンチン、アラブ・・・と、あちこちの文化が取り入られ、それらは建築物にも食にしっかりと残されています。他民族に侵入されると言うことはもちろん戦争も起きるわけですが、それを乗り越えての現在のシチリア、イタリアが統一されてたったの160年なのでどの地域にも地方色が強く残る国ですが、その中でもシチリアは独特だと思っています。

 

私の住んでいるのは西部、州都であるパレルモです。

アラブとスペインの影響が強く残っている所、ギリシャの影響は全く見られません。

そう、四国よりやや大きいこの島は場所によって香りが違う、空気が違う。

細かく言えば気質も違う。

そんな場所に身を置いて早20年を迎えた私。

最初はそれ以前住んでいたフィレンツェとは色々勝手が違い戸惑ったことも多かったのですが、流石にもう慣れたでしょう?と思うと驚くことに遭遇してしまう。

まるでびっくり箱のようで、時には素晴らしい宝石が飛び出し、大抵は「やばい、どうしよう」的なことが飛び出してくる。

そう、シチリアは侮れないのです。

 

「イタリア」と「シチリア」は切り離して考えなくてはいけない。

旅の支度は万端と思って到着しても、予定していた宿泊先に部屋がなかったり、窓がなかったり。

予定していた時間に長距離バスが来なかったり、予約しておいた美術館が休館だったり。

色々と起こります(笑)。

と、旅行中でしたら笑い事ではないですよね。

それでも一度いらしたほとんどの方が「また来たい」とおっしゃる理由は何?

それほど不思議な魅力があるのでしょう、何せ神様だか太陽に口づけされていますから。

 

一般的にシチリアに対するイメージは沿岸部、海でしょうが、小麦畑が広がる内陸部も素晴らしい。

有名なブラッドオレンジをはじめとする柑橘類も有名。

文化の融合と食と歴史が絡み合うのがシチリア。

このコラムはできるだけ主観に基づいてお届けしたいなと思っています。

日々の生活の中に普通に過去に関わった他民族の影響が顔を出す、それが当たり前過ぎてシチリア人自身は感じていないケースも多いのです。

現在のシチリア、勿論若者はマックに走り、アニメが好きで、ブランド物のジーンズを履いてスマホをいじってる。

そこだけ切り取ればどこにでもある現代の風景だけど、歩いていてふと路地を抜けるシチリアの風に、私は間違いなく歴史を感じます。

 

その風が皆さんのところへ届きますように・・・。

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