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上の森シハ
agriculteur

STAY SALTY ...... means column

頭脳派のWebライターから、体力派の農業人・アグリキュルターへ転職。中山間地域でみかんやすだちなどの果樹畑を所有する農家の下、収穫や剪定などの仕事をしている。

noteでは、コロナの影響を受けて農業の仕事を視野に入れ始めた人、異業種から農業への転職に興味がある人向けに、果樹系農業について語ることも。

趣味は味の比較と分析。

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DAYS / Shiha Uenomori Column

酸いも甘いも

11.1.2020

DAYS / Shiha Uenomori Column

酸いも甘いも

45度の風景

軽自動車を動かせば、エンジンが泣きます。

新車だと、人間が大泣きします(笑)。

雨が降った日の翌日は濡れた草木でタイヤが滑り、途中で車がストップして上がれないことも。

そんな45度はある急な角度の坂道が、私の通勤経路です。

ハンドル操作を大きく誤れば、すってんころりん、すってんてん。

車がおむすびさんにならないよう、念のためか、一箇所のみガードレールが付いています。

恐らく、長さが3メートル未満……。

車出勤は神経を使います。

 

一方の徒歩出勤はとても気楽。

発見が多いから好きです。

たとえば

 

2020年10月。

この日は強風に見舞われた翌々日とあって、道に栗が落ちていました。

中腰になってよく見ると、ーー中身はすっからかん。

おおかた、人間が靴を履いた足で器用に取ったか、イタチや狸などの野生動物が食べたのでしょう。

栗が勝手に歩き出してどこかへ行くことはありません。

何者の仕業であったにせよ、絵本の登場人物グレーテルが落としたように並んでいる所が、なんとも不思議で可笑しいです。

竹林の前を歩くときも気分が弾みます。

合唱です。

生きている薄青い竹のあいだに、枯れて横倒しになった竹が挟まっていて、

風が吹き抜けると揺れてぶつかり合い、静かにカタカタ音を立てて歌うのです。

 

そして。

歩き続けているうちに気付きます。

見上げると知らない木が枝を伸ばし、葉っぱたちが屋根を作っているのです。

 

この山で仕事をするときは毎回通る道なのに、意識が向くのは車外に居るときだけ。

車内では外に対する五感が、鈍くなりやすいのでしょうか。

たのしい発見はまだまだ続きます。

しかし、受け止め方次第では、とんでもない話に思われるかもしれません。

 

地元で昔から『ひゅうじの葉っぱ』と呼ばれている、大葉にそっくりの雑草が通勤路にも生えています。

『ひゅうじ』とは黒い芋虫のこと。

葉っぱがある所に彼らはいるはずですが、おなかいっぱい食べた形跡(穴)を残したまま、どこへ行ったのやら。

強風で飛ばされたか、鳥さんのごはんになったのか、姿が見当たりません。

 

彼らが居ないことは良いとして、ひゅうじの葉っぱがぼーぼーに生えて元気に育ちすぎるあまり、

車出勤する度にドアと窓を擦ります。抜こうにも大量……。

一緒に働いている皆さんは、枯れるまで放置する気でしょうか?

私は休憩時間中に尋ねました。

 

「車を走らせていたら、ひゅうじの葉で擦れませんか?」

 

農家さんと先輩が笑います。

 

「誰が一番最初に我慢しきれなくなって刈るかしら。我慢くらべよね」

 

「センサーが大丈夫だから、まだ心配ないですね」

 

ふたりのポジティブな明るい返事がおもしろくて、私は笑いました。

結局、最初に痺れを切らしたのは、近くを工事するために来た人か、道の横に畑を持っている人たち。

私たちは不戦勝でした(笑)

***

45度の風景について書いていると、ライターだった頃もたのしい、おもしろいを発見するの好きだったなぁって思い出します。

本当はしている内容、場所が違うだけで、どんな気持ちで風景を見れるかは自分次第なのでしょうね。

 
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© 2020 by ALOHADESIGN

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